【重視すべきはメンテナンス履歴】BMW E92型M3の中古車 日常に潤いを セダンは希少な存在
公開 : 2020.01.01 08:50 更新 : 2020.01.01 09:10
それまでのストレート6に替えてV8を選択したE92型M3の魅力は、高い洗練性と見事なパフォーマンスの融合にありました。さまざまなボディバリエーションに加え、DCTも選ぶことの出来たこのクルマですが、ユーズドモデルで何より重要なのはメンテナンス履歴だと言います。
メンテナンスが重要
B級路の暴れん坊というよりも高速エクスプレスというのが、2007年から2013年に現役を務めたE92世代のM3クーペに対する英国版AUTOCARの評価だった(当時M3にはE90セダンとE93コンバーチブルも存在していた)。
420psを発揮する4.0L V8エンジンは十分な刺激を感じさせたが、同時に燃費性能とリア駆動というレイアウトがもたらす限界性能に懸念を抱いたのも事実だ。
だが、われわれは高い洗練性とともに、ありきたりな日常に潤いをもたらすことの出来るその能力を称賛していたのであり、コンディション良好な個体であれば、いまでもこのクルマは毎日のドライビングで見事な喜びを感じさせてくれるだろう。
そして、ここで言う「良好」とは、メーカー指定のオイルとプラグ、フィルター、その他油脂類を使い、指定されたスケジュールどおりにメンテナンスが行われていたことが確認出来る車両であることを意味している。
古いオイルやオイルレベル低下(このクルマにはオイルゲージが装備されていないため、ディスプレーに表示される情報を信じるしかない)が原因とされる、コンロッドベアリングの破損に見舞われたケースは想像以上に多発しているのだ。
なかには保証のためだけであり、過剰だという専門家もいるが、1600kmの慣らし運転が行われたことも確認が必要だろう。
DCTには十分な信頼性
新車当時5万1000ポンドのプライスタグを掲げていたクーペの場合、現在の中古車価格は1万2000ポンド(170万円)程度からスタートしている。
2007年のデビュー当時、6速マニュアルギアボックスと可変式Mディフェレンシャルロック、ダイナミック・スタビリティーコントロール、さらには3つのエンジンモード選択が標準で装備されており、電子制御式可変ダンピング(EDC)はオプションだった。
同じく、7速デュアルクラッチ・オートマティックトランスミッション(DCT)もオプション扱いとなっていた。
BMWがこの新型ギアボックスを導入したのはこのクルマが初めてだったが、十分な信頼性を持つことが証明されており、ドライブロジックを使えば、ドライバーは好みのシフトチェンジを選択することが出来た。
純粋主義者の好みではなかったようだが、DCTは大変な人気を博すとともに、燃費性能に優れ、率直に言ってよりドライビングを楽しむことも可能だった。
初期型車両の場合、2008年に行われたこのギアボックスに対するリコール作業が行われていることを確認したほうが良いだろう。
カーボンファイバーによって強度を増した樹脂製ルーフを備えたクーペモデルのほうが、2008年にサルーンモデルとともに登場したコンバーチブルよりも軽量だった。