【重視すべきはメンテナンス履歴】BMW E92型M3の中古車 日常に潤いを セダンは希少な存在
公開 : 2020.01.01 08:50 更新 : 2020.01.01 09:10
スペシャルモデル 人気はいまも衰えず
つまり、このソフトトップモデルは十分な力強さを発揮するエンジンに十分な強度を持つボディを組み合わせてはいたものの、クーペとセダンほどのシャープさは備えていなかったということだ。
現在では、同じくカーボンファイバー製ルーフを備えたセダンモデルは非常に希少な存在となっており、クーペやコンバーチブルよりも高い実用性と、より良いコンディションという魅力をも備えている。
2008年下期登録で、走行距離10万3000kmではあるものの、「良好」なディーラーによるメンテナンス記録を備えたM3セダンを1万4950ポンド(212万円)で発見している。
2009年、クーペモデルは10mm車高を下げるとともに、新たなインテリアとボディカラーが導入されている。
続いて2010年には、EDCとDSCのセッティングを変更したコンペティション・パッケージ登場しており、同年後半には450psを発揮する4.4L V8エンジンを積んだGTSクーペが発売されている。
GTSクーペは瞬く間に完売しており、現在では大変な高値が付いているモデルだ。
2012年にはE92世代のM3の最後を飾るモデルとしてリミテッド・エディションと、車高を下げたMパフォーマンス・エディションが登場しており、その人気はいまも衰えていない。
フェイスリフト
ヘッドライトとLED式テールランプの変更、インテリアの改良が行われている。
BMW M3(E92)の中古車 購入時の注意点
エンジン
コンロッドエンドメタルの破損が報告されている。走行距離には関係なく、破損する前に交換するしかないが、そのためには1500ポンド(21万2000円)が必要となる。オイル交換不足が原因で発生することもあるようだ。
スロットルレスポンスの悪化はスロットルアクチュエーターが、不安定なアイドリングはイグニッションコイルが、加速にムラがある場合はインジェクターの故障が疑われる。
オイルレベルの確認はiDriveで行う。
トランスミッション
マニュアルでもDCTでもギアボックスそのものは丈夫だが、iDriveにトランスミッションとディフェレンシャルを酷使した記録が残っている場合、ハードに扱われた車両の可能性があり、すべての機能が完全であることを確認しておいた方がいいだろう。
DCTはメンテナンス不要とされているが、9万7000kmでのオイルとフィルター交換は決して害にはならない。
樹脂製オイルパンは時間の経過とともに脆くなり、オイル漏れが発生する。オイルとオイルパンの交換費用はおよそ500ポンド(7万1000円)だ。
サスペンションとブレーキ
オプションのEDCダンパーが装着されている場合、オイル漏れがないか確認しよう。
M3は決して軽量とは言えないモデルであり、路面不整を通過すればブッシュの摩耗や緩みが明らかとなる。
リアブレーキのピストンが固着していないか、タイヤに偏摩耗が発生していないかチェックが必要だ。
フルに調整可能なサスペンションのジオメトリーチェックの費用も考えておく必要がある。
ボディワーク
錆が発生している場合、事故の補修跡である可能性が高い。
フェンダーの取付けボルトの新しい塗装跡や、トランクカーペット下の座屈、ヘッドライト内への水分進入(ますます多くなっている)がないか確認しよう。
インテリア
すべてのモードとドライバーアシスト(スロットルレスポンスとステアリング、ギアシフト、EDCダンパー・コントロール、トラクション・コントロール)が正常に作動することを確認しよう。
メインのセッティングを確認することで、前オーナーのドライビングスタイルが分かる。