【WRC前提の3ドア】トヨタGRヤリス・プロトタイプ 新開発1.6L 3気筒ターボ 後編

公開 : 2020.01.03 10:20  更新 : 2021.03.05 18:45

価格はシビック・タイプR並みの可能性も

轍の深いグラベルコースも試乗したが、スタイリングだけでない、ラリーマシンとしての足さばきも披露してくれた。実力は高そうだ。

プロトタイプということで内装は殆どが隠されていた。だが顕になっていた一部は、明らかに新しいヤリスと共通するものだった。GRのロゴとスポーツ・ディスプレイ、トルクコントロールのダイヤルがセンターコンソールに追加されている。

トヨタGRヤリス・プロトタイプ
トヨタGRヤリス・プロトタイプ

トヨタは、ボディサイズが近似するフォードフィエスタSTと、一回り大きいホンダ・シビック・タイプRとの中間にGRヤリスが位置すると考えている。確かに性能や性格付けからすると、タイプRの方に近い印象がある。

シビック・タイプRの熱狂的な支持に近いものをGRヤリスも獲得できれば、トヨタの目的の1つは達成できたことになる。

具体的な試乗テストは、スペックが公表されたうえで、2020年後半とされる完成車両を待つ必要がある。価格も重要だ。オリジナルのヤリスとは異る特別な開発内容を考えれば、シビック・タイプRに値段も近くなるかもしれない。

たとえ標準のヤリスから大分高い価格が付いたとしても、ドライバーは熱い情熱と意思を持って開発された、楽しくも手強いマシンを手に入れられることは間違いないだろう。もしかすると、期待とは少し違う内容になるかもしれないけれど。

番外編:グループBとは異なる今のWRCマシン

限定生産で、公道走行がギリギリ許されたような、ホモロゲーション・ラリースペシャルの時代は終わった。

現在の世界ラリー選手権では、1.6Lのターボエンジンの搭載は認められているが、ベースとなったモデルの駆動方式に準じる必要はない。一方で、ボディシェルは量産される一般道モデルと一致する必要がある。

ヤリスWRC(2018年仕様)
ヤリスWRC(2018年仕様)

2021年モデルのヤリスWRCは、標準のヤリスではなく、このGRヤリスがベースとなるだろう。3ドアのボディはより多くの空力パーツを付加できる理由で、ラリーチームからの強い要求でもあった。

リアハッチ下側のルーフ・ルーバーももう1つの要求事項。固定式のリアスポイラーとの高低差を生み出すためだ。ルーフラインは、後方視界が確保できるギリギリまで下げることが許されている。

GRヤリスの3気筒1.6LターボエンジンはヤリスWRCに搭載されないと思われるが、ラリーステージでは充分使えるユニットになっている。まだ未公表ながら、WRマシンに次ぐラリーマシンのカテゴリー、グループR5に合致するよう設計されているようだ。

トヨタGRヤリス・プロトタイプのスペック

価格:3万ポンド(420万円)
全長:−
全幅:−
全高:−
最高速度:−
0-96km/h加速:−
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:−
パワートレイン:直列3気筒1.6Lターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:250ps以上
最大トルク:35.6kg-m以上
ギアボックス:6速マニュアル

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