【ボンドカーはいまが底値?】アストン マーティンDBS 手に入れるべきは好みの1台
公開 : 2020.01.02 08:50
選ぶべきは本当に欲しい1台
だが、2011年を最後にマニュアルギアボックスは廃止されている。
2008年には6速タッチトロニックIIオートマティックギアボックスが登場するとともに、2+2のシートレイアウトが標準となった。
当時はこちらの方がより多くの顧客を集めることに成功しているが、いまでは希少なマニュアルモデルの方がより高価なプライスタグを掲げている。
2009年にはコンバーチブルのヴォランテが登場したが、エンスージァストたちの好みはクーペモデルに集中している。
さまざまな特別仕様が発売されており、2010年にはカーボンブラック・タッチトロニック(特別なペイントとホイールに加え、カーボン製ダッシュボードとサイドシルカバーを備えていた)が、そして2012年にはDBSの最後を飾る特別なモデルとしてアルティメット・エディションが登場している。
2017年、あるディーラーではわずか59台のみが生産されたこの特別なモデルに17万5000ポンドもの値段を付けていた。
だが、本当に満足したいなら、数あるユーズドモデルのなかから好みの1台を探し出すべきだろう。
2009年登録でB&Oのオーディオシステムを備えたクアンタムシルバーのマニュアルモデルを、約8万5000ポンド(1211万円)で発見している。
高ければ良いと言うものではないのだ。
UB-2010
当時アストンのトップを務めていたウルリッヒ・ベッツのCEO就任10周年を記念して、40台限定のスペシャルエディションが登場している。
アストン マーティンDBSの中古車 購入時の注意点
エンジン
初期のモデルではインテークマニホールドの振動に注意が必要だ。エンジンサウンドが不安定になるがエンジン回転そのものには影響がない。後期の車両ではマニフォールドが強化されている。
それほど多くはないが、オイルパンのガスケットから漏れが発生している車両も存在する。
トランスミッション
初期のマニュアルモデルではエンジン低回転時にクラッチから異音が発生することがあるが、クラッチパッドの材質が原因だ。
タッチトロニック・オートマティックギアボックスを搭載した車両の場合、セレクトボタンが問題なく機能することを確認しよう。
初期のモデルでは変速ミスが発生することがあり、警告灯が点灯してシステムが一時的に状態をリセットしてくれる。
ディーラーではこの問題を抱えた車両に対して、システムのリフレッシュ作業を行っている。
ブレーキ
ディスクを固定する12本のボルトの状態を確認しよう。異常発熱によってボルトが影響を受けることがあり、ディスクに歪みが発生する原因となる。
新品のボルトはブレンボ取扱いショップで購入することが出来る。
さもなければ、1万2000ポンド(171万円)もする新品のフロントディスクとパッドへの交換が必要となる。
サーキット走行を経験していない車両であれば、ディスクとパッドは最低でも11万3000kmまでは交換不要なはずだ。
サスペンション
ビルシュタイン製ショックアブソーバーではオイル漏れが発生することがあり、原因はトップシールからの異物混入だ。
後期の車両ではダブルシールが採用されている。
ボディ
水分の浸入によってドアハンドル周りの塗装に膨れが発生していないかチェックしよう。対策を行わない場合、この膨れは拡がっていく一方だ。
ヴォランテでは水分の影響で電動式のフードラッチ(非常に高価だ)が故障することがあり、正常に作動するか確認したほうが良いだろう。
フューエルフィラーキャップの裏側に水分が進入していないか確認が必要だ。トランクや燃料タンク内への水分混入の原因となる。