【2019年 最高のハードコア・スポーツカー10選】サーキットから公道まで
公開 : 2019.12.30 05:50
8位 ロータス・エキシージ・カップ430
これはロータス史上最速のロードカーだ。搭載されるエヴォーラGT430とも共通のスーパーチャージャー付きV6ユニットは436psを発生する。しかしその乾燥重量はわずか1056kgであり、0-100km/h加速は3.3秒だ。
最高速度は290km/hに達し、強大なダウンフォースのおかげもありサーキットでも凄まじい速さを見せる。公道でもサーキットでも、このカップ430の速さは今までのロータスでは到達し得ない次元だ。
また3ウェイの調整式ダンパーやアンチロール・バーが装備され、好みのセッティングが可能となっている。標準の設定でも十分な硬さで、キャビンもそれに見合った剛性が確保されている。
サーキットでは、そのハンドリングはほぼ完璧といったところだ。軽量ゆえメカニカル面への負担は少なく、ハードなラップを重ねても疲労は感じられない。投資額に見合うドライビング・エクスペリエンスが得られるバランスのとれたクルマだ。ただし、ウェットな路面では怖い思いをするかもしれない。
7位 ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ
このメーカーにとって、「イオタ」の名称は特別な意味合いを持つ。最初に使われたのはミウラをFIAのレギュレーションに即したマシンにしようというランボルギーニのテストドライバー、ボブ・ウォレス肝いりのプロジェクトであった。しかし1台のプロトタイプが製造されたのみで、それも事故で焼失してしまった。
アヴェンタドールSVJはそのイオタ(J)の名称が用いられたクルマだ。大排気量の12気筒をミドに搭載する最高峰のスーパーカーであり、ディアブロ、ムルシエラゴ、カウンタック、そしてミウラの血を引き継ぐモデルである。
大きく、幅広く、重く、そして驚異的に速いこのクルマは、ドライバーがその性能を完全に引き出すのは容易ではない。少々粗暴なギアチェンジや暴力的なまでの加速に耐え、グリップの限界を感じるのは難しいだろう。
とは言え、このアヴェンタドールSVJがもたらすドライビング・エクスペリエンスは他にはないものだ。速いクルマを操るのが簡単になった現代において、このクルマでラップタイムをたたき出すのはとてもやりがいのあることだろう。古典的かつハードコアなスリルを味わいたいのであれば、このランボが最良の選択だ。
6位 ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ
このクルマが一時ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェにおける市販車最速タイムを保持していたことは記憶に新しい。それだけでなく、このクルマはAUTOCARがロードテストに使うサーキットでも最速タイムを記録したのだ。
640psを発生する超軽量で4WDのランボは、マクラーレンP1、ポルシェ918スパイダー、さらにはブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツをも上回るコーナリングを見せる。サンタアガタのエンジニア達がウラカンに与えたグリップ、鋭さ、落ち着きは凄まじい。自然吸気のV10エンジンが8000rpmまで吹け上がるのはまさに一瞬の出来事だ。
このターボ全盛期において、このシャープなエンジンは貴重だ。ただし気をつけなければならないのは、ピレリ・トロフェオRタイヤが十分に温まるまではこのパフォーマンスを存分に味わうことはできないだろう。
ウラカンの持つ存在感は他のスーパーカーにはないものだ。地球上でこれほど美しいカーボンファイバー製の物体を他に探すのは困難だが、ドライバーズカーとして評価するならばスロットルの官能性や対話性があと一歩というところだろう。