BMW Z4 sDrive 18i
公開 : 2013.08.08 20:00 更新 : 2017.05.29 18:00
■どんなクルマ?
BMW Z4にフェイスリフトが加えられた際にエントリー・モデルとして追加されたのがsDrive 18iだ。そのエンジンは、sDrive 20iやsDrive 28iに搭載されている2.0ℓターボ・エンジンのロー・パワー・バージョンを搭載し、価格は£27,615(414万円)と低く抑えられている。それは、フェイスリスト前のベース・モデルであるsDrive 20iよりも£2,100(31万円)も安いものとなる。しかし、その一方で装備はデュアル・ゾーン・エアコンや雨滴検知自動ワイパーなどがオプションとなるなど、コストの低減も計られている。
この新しいエンジンの搭載と共に、エクステリアの化粧直しも行われている。ホワイトLEDのコロナ・リングがヘッドランプに組み込まれたのが最も大きな変化だ。
■どんな感じ?
ボンネットの下のエンジンは、154bhpの2.0ℓツインパワー・ターボが搭載される。このエンジンは、1対のツイン・スクロール・ターボと、可変バルフ・リフト&カム・タイミング・コントロールを持つ。トルクは1250-4400rpmの間で24.5kg-mを発生する。
パフォーマンスは0-100km/hが7.9秒と大人しい数値が公表されている。高いギアリングだが、その幅広いトルクの広がりはフレキシブルでパンチーな印象を与える。パワーも充分と言える。しかし、その効率については改善がされていない。14.7km/ℓという燃費と、159g/kmというCO2排出量は、181bhpの20iや、241bhpの28iと同じ数値なのだ。
ギアボックスは6速マニュアルが標準となる。そのシフト・アクションは短くて速いが、コクコクとは決まらない。
ちなみに、われわれがテストしたモデルは、18インチ・ホイルやMスポーツ・サスペンション、スポーツ・シート、ウインド・ディフレクターを含むコンフォート・パッケージが付けられていた。
ステアリングは正確で、ナーバスなフィーリングを軽減するために適度な重さを持ったものだ。またグリップも高い。しかし、フィードバックには一貫性が感じられなかった。特に、高速コーナーでは、その一貫性のなさが不安を感じることがあった。
固めのセッティングではあるが、乗り心地は許容範囲だ。また、ブレーキも強力で、クラッチもスムーズ。スロットル・レスポンスも正確だった。
キャビンのクオリティや造作は合格点だ。また、削減されたとはいえ、その装備も充分に満足できるものであった。ユーザビリティという面ではsDrive 18iは合格点が挙げられる。
■「買い」か?
Z4 sDrive 18iは魅力的なモデルだ。パフォーマンスを重視しないのであれば、快適で、質素で、頑丈で、優雅なドライビングが楽しめる。但し、オプションには注意が必要だ。あれもこれもとオプションを選択していると、その価格は跳ね上がる。つるしの価格は£27,615(414万円)だったが、われわれのテスト車両は£36,420(546万円)というプライス・タグとなっていたのだから。
(ルイス・キングストン)
BMW Z4 sDrive 18i
価格 | £27,615(414万円) |
最高速度 | 220km/h |
0-100km/h加速 | 7.9秒 |
燃費 | 14.7km/ℓ |
CO2排出量 | 159g/km |
乾燥重量 | 1505kg |
エンジン | 4気筒1997ccターボ |
最高出力 | 154bhp/5000rpm |
最大トルク | 24.5kg-m/1250-4400rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |