【積雪時、要注意】布製チェーンでスリップしまくり 水分の多い雪には不向き 輸入元/メーカーの意思は
公開 : 2019.12.31 07:20
チェーン規制対応? ほんとに大丈夫なのか
オートソックについて色々と調べているうちに、JAFが緊急脱出用として使用を公表しておりJAFの通販サイトでも販売されていることを知った。
また2018年12月に国交省から発表された「新チェーン規制」では、スタッドレスはNGでも、布製チェーンはOKという見解が出されている。
さらに2019年12月にはNEXCO東日本が大雪時の立ち往生車両を移動させるために布製チェーン(写真はオートソック)を使用すると公表した。
むしろ豪雪地帯の雪の方がオートソックに向いているのだろうか?
実績があるからこそ、チェーン規制対応品として認可されJAFやNEXCOでも公式採用されているのか。
色々と知りたいことが重なり、総輸入販売元を探した。雪道楽シリーズでも有名なFECチェーンというタイヤチェーンの専門会社だ。
株主名にトヨタ自動車の名前もある。メーカー純正のチェーンも数多く作っているようだ。
担当者の方と話をすることができた。とても丁寧で誠意ある対応だったが、雪が貼りついてスリップすることは、まったくご存知なかった。
通販サイトの数百以上ある商品レビューはオートソックを絶賛する内容が大半を占めていたが、「滑って危険だった」「絶対に買ってはいけない」などのレビューも散見されているが、そのこともご存知なかったのだ。
ほとんどの日本/ドイツ車メーカーは純正から撤退
かつては多くの自動車メーカーがオートソックを純正に採用していた。しかし現在はドイツ車全社、日本車は日産以外不採用となっている。
理由は何か? オートソックの輸入元に尋ねたところ意外な答が返って来た。
「純正となると車種ごとにパッケージを作ったり品番を揃えたり細かく対応しなくてはなりません」
「経費と販売数の関係から採算が取れないと判断し純正をおろさせていただいたのです」
日本の雪には向いてないから危険、という理由で日欧の多くのメーカーが不採用にしたのかと思ったら、話は全く違っていた。
しかし、その後、純正をやめた理由としてホンダアクセスからは以下の回答を得た。
「販売をとりやめたのは、いくつかの車両で装着性の点で純正要件に合わなかったためです」
「ネット通販については、商品自体は市場に流通していますのでかつての純正部品の表示をつけたままどちらかから仕入れたものを販売されているのだと思います」
「現在ホンダアクセスは在庫も出荷もしていません」
オートソックを購入した人は、以下の点に気を付けて使うのが良さそうだ。
・あくまで緊急脱出用として使う。
・首都圏の雪のような水分の多い雪では雪氷がタイヤに張り付いて滑ることがある
・濡れたタイヤへの脱着は困難を極める
なお、輸入元はノルウェーの本社にこのことを報告し、警告を行うか検討してくれるとのことだ。