【2019年 最高の超高級車10選】サルーンからSUVまで
公開 : 2020.01.01 05:50
5位 ロールス・ロイス・カリナン
グッドウッドの名門が2018年にこのセグメントに投入した超高級SUV。ロールス・ロイスの顧客から寄せられた毎日乗れる実用性とあらゆる路面に対応できる走破性を持つクルマという要望に応えるものだ。
カリナンのデザインには賛否両論が寄せられ、一部のひとからは醜いといった酷評も上がっていた。しかし、ロールス・ロイスの市場調査が正しければその売り上げは順調であり、そもそも買えない層が批判をしていたにすぎなかったようだ。
このクルマは正真正銘のロールスロイスであり、運動性能や卓越した洗練性が魅力である。信頼性も高く、ドライバビリティも完璧な仕上がりだ。
車高調整式のエアサスペンションやBMW譲りの4WDシステムにより、多くのオーナーが求めるオフロード性能を実現している。現在は牽引能力が2.6トンまでに制限されているが、近々3.5トンに引き上げられる予定だ。これによりスピードボートの牽引にも使用できるだろう。
4位 ベントレー・ミュルザンヌ
今回登場するクルマの多くは過剰なまでに貴族的で、数百メートル離れたところからでも後席の乗員が第一であることがわかり、ドライバーは二の次といった印象だ。しかし、そんなこのカテゴリーにもそうではないクルマが存在する。それがベントレー・ミュルザンヌだ。
他の英国製のライバルたちと比べるとややオーソドックスな見た目だが、4ドアサルーンとして最高レベルの高級感を備えている。ロールス・ロイス・ファントムほどのフォーマルさはなく、あちらがシャンデリアで飾られたボールルームだとしたら、こちらは上流紳士向けの喫煙所といったところだろう。
ベントレーの特徴は、ドライバーにとっても魅力的であることだ。乗り味の落ちつきだけでいえば競合に劣る部分もあるが、トルキーなV8ターボのおかげもあり生き生きとしたハンドリングやレスポンスの鋭さが際立っている。
このクラスで有力なライバルとはやや性格が異なるが、それゆえ使える機会が多そうでもある。特別なシーンに限らず、あらゆる移動に対応できるクルマだ。
3位 メルセデス・マイバッハS650
世界で最も広く認知されるリムジンのスペシャル版たるS650は、現代のマイバッハの象徴的存在だ。
見た目だけで言えば、スタンダードなSクラスと大きな違いはない。ダイムラーの戦略により、マイバッハ車はメルセデスの最上位版として位置付けられることになっているのだ。これに伴い、サイモン・カウウェル時代の57と62は過去のクルマになってしまった。
このクルマが「単なる」Sクラスであるということは最大の強みでもあり、同時に弱点でもあるのだ。ロールス・ロイスやベントレーなどと比較したら、そのブランド力では敵わないだろう。しかしSクラスであることにより素晴らしいアクティブ式サスペンションや運転支援技術による洗練され安心感ある走りを実現できるのだ。
S650に搭載される630ps、102kgmのV12ツインターボのサウンドはキャビンにほとんど侵入せず、その快適性や振る舞いも驚異的だ。