ロードテスト ボルボS60 ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2020.01.04 11:50
ボルボが高性能セダン市場へ参入すべく用意したのは、PHEVモデルでした。そのパフォーマンスは高く、ハンドリングもボルボとしてはスポーティ。しかし、先行するAMGやMパフォーマンスに挑めるほどではありませんでした。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ー内装 ★★★★★★★★☆☆
ー走り ★★★★★★☆☆☆☆
ー使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★☆☆☆
はじめに
世紀の変わり目の頃から、ボルボは変化してきた。中国資本となったこのスウェーデン生まれのブランドを、いまだに角ばったワゴンのメーカーというイメージを抱いているひともいるはずだ。しかし、現状はかつての姿とまったく違うものとなっている。
2002年にXC90が登場したのを契機に、ボルボの成長は上品で洗練されたSUVのラインナップ拡大に依ることとなった。2018年の年次報告にもそれは明らかだ。全世界64万2253台の販売台数のうち、実に56%がXCではじまる車名のモデルだったのだ。
それだけに、今回取り上げるS60が、拡大を続けるボルボの中でどういった位置付けになるのかという考察には興味をそそられる。プレミアムブランドと呼ぶに値する自動車メーカーはいずれも、代表格と呼べるDセグメントセダンを必要とする。
S60は、BMWやアウディ、メルセデスの対抗馬としては主流から外れた存在だが、それでもボルボの有力モデルであり続けてきた。
とはいえ、第2世代のS60の存在感が、モデルライフを重ねるにつれ弱まりはじめたとしても致しかたないことだ。2018年に英国で販売されたボルボは5万319台だったが、そのうちS60は960台にとどまった。アメリカで生産される新型への期待が大きくなるのも無理はない。
販売の中心となるのは、実用車的な性格が強いスペックのグレードだろう。しかし、ライバルのBMW 3シリーズが、現行モデルで運動性の優秀さを新たな高みに引き上げたとなれば、われわれが走りを検分し、多くの文字数を費やしてレポートすべきは、よりパフォーマンスを重視したT8ツインエンジン・ポールスター・エンジニアードだろう。この高性能プラグインハイブリッドの実力やいかに。