【驚きの体験】チーフテン戦車を操縦 売り先には注意 顧客には陸軍も 後編

公開 : 2020.01.26 18:50

ワイルド・スピードなどの映画にも出演した戦車を操縦してみました。クルマなど簡単に押し潰してしまう戦車ですが、その操縦方法も自動車とはまったく異なるものでした。さらに、英国のTV番組が改造したベントレーGTオフロード仕様など、興味深い存在が目白押しです。

価格は高騰する一方

チーフテン戦車を停車位置に戻して、ミードのオフロード仕様に改造したベントレーGTに乗り換えることにした。

このクルマの周りには多数の戦車やアボット自走榴弾砲、装甲兵員輸送車両、さらにはFor saleとなっているリアがキャンパー仕様に改造された巨大なウラル4320 6×6ディーゼルなどが置かれている。

チーフテン戦車が気になったなら、1万8000ポンド(254万円)から手に入れることが出来る。
チーフテン戦車が気になったなら、1万8000ポンド(254万円)から手に入れることが出来る。

さらに北アイルランドで仕入れたアルヴィス社製ストーマ―装甲車には、スターストリーク近距離防空ミサイルシステムが残されたままだ。

ミードが戦車を集め始めたのは、2台の戦車をそれぞれ3600ポンドで購入した30年前のことだと言う。

当時、食肉解体業を生業にしていたミードだが、新車当時数百万ポンドもしたほとんど未使用の戦車を、わずか数千ポンドで購入できるという点が彼の興味を誘ったのだ。

彼が予想したとおり価格は高騰する一方であり、その結果、いまでは世界中の個人コレクターたちがこの市場へと殺到している。

「ここにはもう1台チーフテン戦車がありますが、現時点での価格は4万ポンド(565万円)です。ですが、来年には4万5000ポンド(636万円)、再来年には5万ポンド(707万円)に達するでしょう」と、ミードは言う。

彼は所有する40万平方メートルの土地に180台の戦車を集めているが、そのほとんどが英国製だという。

英国陸軍も顧客

そのうち4台がチーフテンであり、その販売価格は1万8000ポンド(254万円)から5万ポンド(707万円)となっている。

戦車の購入そのものは非常に簡単だが、ミードは買い手が誰かを注意深く調べる必要があるという。「もし、誤った買い手に売ってしまった場合には捕まる可能性もあります」と、彼は教えてくれた。

コレクションにはさまざまなミリタリーグッズが含まれている。
コレクションにはさまざまなミリタリーグッズが含まれている。

ミードの戦車に興味を持つのはコレクターだけではない。彼は所有する車両の一部を英国陸軍が毎年行う公開訓練のために貸し出してきたばかりだ。

そのなかにはロシア製戦車や、ミード自ら反体制派が使用する移動式ロケットランチャーへと改造した三菱L200ピックアップトラックも含まれていた。

「戦場で敵味方の車両を見分ける訓練になるよう、敵が保有するモデルに需要があるのです」と、彼は言う。

では、英国陸軍はミードのベントレーGT W12をどう判断するだろう?

この「ダカール・ラリーにインスパイアされたオフローダー」は、英国ナショナルジオグラフィックが放送している番組「スーパーカー大改造」のチームが創り上げたものだ。

強化したサスペンションのストロークを伸ばすとともにホイールアーチを拡大し、クラッシュバーとリアウインドウ上にスペアタイヤを設置して、ミリタリーグリーンでペイントされている。

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