セノーバ2.0Tラグジュアリー
公開 : 2013.08.09 19:00
■どんなクルマ?
旧いサーブ9-5が中国で復活している。しかし、SAICが旧いローバー75をほぼそのままのスタイルでロエベ750として復活させたのと異なり、このモデルは4年掛けて再設計されたモデルであり、単にサーブのドッペルゲンガーではない。
セノーバは、BAICが2009年にGMからサーブの知的所有権を得たことがルーツだ。しかし、そのデザインはスポーティなサルーンに作り変えられている。少なくとも外観上は上手くまとめられているということができよう。
エンジンは、旧いサーブ製の2.0ℓターボと2.3ℓターボ、そして中国市場専用としてBAICの1.8ℓターボが用意される。
■どんな感じ?
そのインテリアのクオリティは決して褒められたものではない。ダッシュボードのソフトなプラスティックは良好だが、センターコンソールは安っぽい素材だし、ドア・ポケットは本当に薄っぺらいもものだ。この内装ではヨーロッパのライバルはもちろん、トヨタ・アベンシスにも対抗できない。但し、フェイク・ウッドとクロームで強調されたダッシュ、スポーティな赤いステッチの入った黒の本革シートなどはその見た目は良い。インストルメントはブルーのバックライトが使われ、ブルートゥースの電話接続なども備える。
サーブの遺産ともいうべきだろうか、スタート・ボタンはギア・セレクターの前に付けられている。セノーバの優れている点は、その装備リストだ。タッチ・スクリーン・インフォテーメント・システムや、ヒーターとファンを備える電動アジャスタブル・シートが標準。更にラグジュアリー・トリムでは12スピーカーのBOSEサウンド・システムも装備される。
また、安全面の手抜かりはない。フルサイズのサイド・カーテン・エアバッグや、サーブから受け継がれるアクティブ・ヘッド・レストレイトなどが装備され、ブラインド・スポット・ウォーニングも標準となる。
その走りは決してスポーティなものではない。15年以上前のサーブ製の2.0ℓターボ・ユニットと、旧い5速オートマティックが組み合わせられているのだから仕方がないかもしれない。スポーツ・モードや、パドル・シフトが用意されているが、それはスポーティな走りを味わうためにはほとんど重要なファクターにはならない。
ステアリングはうヨーロピアン・フィーリングがあり、ハンドリングは許容範囲だが、クラスをリードするようなものは全くないのが事実だ。
■「買い」か?
その豪華な標準装備される器材をすれあb,セアト・エグゼオのライバルとはなろう。しかし、そのクオリティとドライブ・フィーリングでは、市場で戦うには貧弱すぎる。ヨーロピアン・テイストを感じなくもないが、古くなったドライブトレインには荷が重すぎたようだ。
(マーク・アンドリュー)
セノーバ2.0Tラグジュアリー
価格 | NA |
最高速度 | 220km/h |
0-100km/h加速 | 9.8秒 |
燃費 | 10.3km/ℓ |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | 1590kg |
エンジン | 直列4気筒1992ccターボ |
最高出力 | 201bhp |
最大トルク | 29.6kg-m |
ギアボックス | 5速オートマティック |