ヒュンダイi10プロトタイプ
公開 : 2013.08.09 19:30 更新 : 2021.02.20 18:32
■どんなクルマ?
新しいヒュンダイi10は、フィアット・パンダのようなコンパクト・ハッチに対抗するために製造されたモデルだ。そのプロトタイプをドライブする機会に恵まれた。
今年初め、スウェーデンでわれわれはi10の初期のプロトタイプのステアリングを握ることができたが、今回はほぼプロダクション・モデルに近いプロトタイプをドライブするためにAUTOCARがトルコに招かれたのだ。
この新しいi10は、前作の成功をベースにしている。2008年にAUTOCARは年間最優秀モデルにこのi10を選んでいるのだ。しかし、そのスタイルやパッケージの評価は、市場が更に成熟していく中、更なる上を目指さなければならないことになったのは明白だ。
この新しいi10は、キア・ピカントとプラットフォームを共用する。フォルクスワーゲンUp!よりも若干大きいボディ・サイズだ。というのもヒュンダイはAセグメントの価格でありながら、Bセグメントのクオリティとスペースを提供したいと考えているからだ。
■どんな感じ?
われわれはイズミットの工場で、i10の2つのバージョンのドライブを許された。エントリー・レベルの1.0ℓ3気筒と、より強力な1.25ℓ4気筒だ。最終的なパワーがどのぐらいかは確かめられなかったが、現行モデルから推測するにそれぞれ68bhp、84bhp程度となるだろう。更に強力な1.0ℓ4気筒がリリースされる予定もあるというが、ディーゼル・モデルに関しては予定がまったくないという。
1.0ℓモデルは、低回転から加速も良く、スロットル・レスポンスも良い。エンジン・サウンドの減少にヒュンダイは力を注いたようで、そのノイズは非常に少ない。
短い試乗で、速度も制限されていたのだが、フラットな路面ではギアリングも良好に感じた。また、乗り心地も快適で、コーナーでのボディ・ロールも少なかった。
ヒュンダイはこの新しいi10のために新しいサスペンションを用意したが、その影響はブレーキング時に有効な結果を生み出した。現行モデルはハード・ブレーキングの際のノーズ・ダイブが大きいことで有名だったが、それがかなり改善されている。また、ステリングもサイド・ロード・スプリングを採用した結果、フィーリングの向上が果たされている。
テスト・コースにはコーナーが1つしかなかったため、そのコーナリングのフィーリングについて言及することは難しい。しかし、ステアリングは軽いものの、そのボディ・コントロールは上手くいっていると感じられた。
新しいi10は、そのインテリア・クオリティが格段に向上している。ソフトタッチの素材が多用されているのだ。また、ドライビング・ポジションは高いものの、シート自体は快適なサポートを持つ。
更に装備も豪華だ。スタビリティ・コントロール、タイヤ・プレッシャー・モニター、6エア・バッグ、USB入力、2つの12Vコンセント、センター・マルティメディア・ディスプレイなどが装備される。但し、市場調査によって、多くのユーザーが後付のナビゲーションを選ぶという結果が出ているので、おそらく純正のナビゲーションは提供しないとコメントしていた。
また、ハイグレード・モデルには、電動サンルーフ、オート・エアコン、ヒーテド・シートなどが標準装備されることとなる。
ちなみに、i10のブートスペースは252ℓで、これは新しくされたプラットフォームがもたらした恩恵でもある。
■「買い」か?
より大きなBセグメントのライバルをターゲットとすると共に、ベーシックなAセグメントのユーザーも取り入れようとする狙いがi10にはある。近年のヒュンダイのヨーロッパでのシェア拡大は、快適さ、スタイルの良さ、そしてファン・トゥ・ドライブな乗り味によって支えられてきた。これらが、どう評価されるかは、9月のフランクフルト・モーターショーで正式に発表されて以降のこととなるだろう。
(ダレン・モス)
ヒュンダイi10プロトタイプ
価格 | £9,300(140万円):予想 |
最高速度 | 153km/h:予想 |
0-100km/h加速 | 13.9秒:予想 |
燃費 | 23.8km/ℓ:予想 |
CO2排出量 | 99g/km:予想 |
乾燥重量 | 1050kg:予想 |
エンジン | 直列3気筒998cc |
最高出力 | 68bhp/6200rpm:予想 |
最大トルク | 9.7kg-m/3500rpm:予想 |
ギアボックス | 5速オートマティック |