【ジープのピックアップ】ジープ・グラディエーター・オーバーランドに試乗

公開 : 2020.01.12 09:50  更新 : 2022.08.08 07:52

日常的な速度域では予想外に良い走り

一定速度でのクルージング時はエンジンノイズは穏やかになる。だが110km/hを超えてくると、空力的に弱いボディは盛大に風切り音を発生。ゴツいタイヤの転がり音も加わってくる。

ドライビングポジションは、多くのSUVを見下ろせるほど高い。クルマの中に腰掛けているというより、クルマの上に座っている感じがする。シャシーの限界性能は控え目ながら、ハンドリングは親しみやすく、違和感はない。

ジープ・グラディエーター・オーバーランド
ジープグラディエーター・オーバーランド

ステアリングフィールは軽過ぎ、直進時の感触には曖昧さがある。グリップレベルも限定的で、ペースを上げていくとアンダーステア傾向が強い。タイトなコーナーではかなりのボディロールも示す。

それでも日常的なスピードに限れば、グラディエーターのまとまりは印象的なほどに良い。シャシーの反応も性格で、ホイールベースの短いラングラーより凹凸のいなし方もうまい。路面が荒れてくると、落ち着きがなくなってしまうようだ。

牽引重量はアメリカの規則では2.7t。オプションのトーイング・パッケージを選ぶ必要がある。

グラディエーターの大きな特徴が、通常のラングラー同様、天気の良い日にはボディパネルを外すことができること。ルーフパネルとドアは脱着が可能で、フロントガラスは前方に倒せる。

ただし、作業時間は数分では終わらない。それなりの重量物だから、作業には大人2人は必要となる。外したボディパネルを保管しておく場所も必要ではある。

日差しを浴びてオフロードを走りたい

それでもドアとルーフを外したグラディエーターは、比類のない開放感満点のクルマに変身する。日差しを浴びながらオフロードを走らせるのに、これほど適したクルマはない。

ジープ・グラディエーターの欧州での発売は2020年が予定されているが、導入されるエンジンは自然吸気の3.6Lではないだろう。欧州のラングラー同様に、2.0Lのターボガソリンか、2.2Lのターボディーゼルとなるはず。

ジープ・グラディエーター・オーバーランド
ジープ・グラディエーター・オーバーランド

アメリカで乗るのとは異なり、英国ではボディサイズも気に留める必要がある。標準的な駐車場の区画より、全長が長いためだ。オプションでフロントビュー・カメラを装備でき、ボンネット下の様子を確認することができるけれど。

どこへでも走って行ける桁外れの走破性と、大きな荷室が生み出す機能性。従来のピックアップトラックにはない強い個性は、カリスマ的な存在感を放っている。心惹かれる読者も多いのではないだろうか。

ジープ・グラディエーター・オーバーランドのスペック

価格:4万1980ドル(453万円)
全長:5540mm
全幅:1874mm
全高:1856mm
最高速度:177km/h(リミッター)
0-100km/h加速:7.5秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:2180kg
パワートレイン:V型6気筒3605cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:289ps/6400rpm
最大トルク:35.8kg-m/4400rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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