【乗るたびにハッピーになれる】スズキ・ジムニー・シエラ(2) 長期テスト
公開 : 2020.01.11 10:50
気取らない小さな4WDは、短距離でも走りたくなる愛らしさ。この気持は長期間変わらないのでしょうか。最新のジムニーは、先代モデルと変わらないほどの実力と魅力を備えているのか、長期テストで確認します。
もくじ
ー積算1万2203km 都市部での取り扱いの良さ
ー積算1万2861km 荷室容量はトゥインゴの半分
ー積算1万2874km アーミー・グリーンもカッコいい
ー積算1万3558km 高速移動はおすすめしない
ー走行ノイズと車内の質感は指摘ポイント
ー乗るたびにハッピーになれるクルマ
ーテストデータ
積算1万2203km 都市部での取り扱いの良さ
ジムニー・シエラに乗るたびに、このコンパクトカーが好きだと気付かされる。シティカーではないけれど、都市部の狭い駐車場での取り扱いの良さには感心する。
以前長期テストで乗っていたミニ・クーパーSでは白線に触れていたような狭い区画でも、ジムニー・シエラなら50cm位の余白が残る。縦列駐車のしやすさも同じ。
積算1万2861km 荷室容量はトゥインゴの半分
わたしのパートナーが、ブーツやトレッキングシューズをジムニーに積もうと、ジムニー・シエラのリアドアを開けた時の反応が面白かった。「荷室はどこ?」 と半分呆れながら聞いてきた。
彼の反応もうなずける。ジムニーの荷室容量はわずか85Lで、ルノー・トゥインゴの半分もない。リアシートの背もたれを直立させればもう少し空間は大きくなるし、折り畳めば広くはなるけれど。
積算1万2874km アーミー・グリーンもカッコいい
英国の場合、スズキ・ジムニー・シエラの公式画像の多くは、キネティック・イエローと呼ばれる緑がかった鮮やかな黄色のボディだ。
長期テストで使用しているジムニー・シエラのボディカラーは、ブリスク・ブルーと呼ばれる鮮やかな青色で気に入っている。白色が英国では一番出回っているが、わたしが良いと思う色は、ベージュのシフォン・アイボリー。
一番カッコ良く見えるのは、英国では流通していないアーミー・グリーンと呼ばれる暗い緑色。クルマのイメージにもよく合う。
積算1万3558km 高速移動はおすすめしない
週末にレンジローバー・ヴェラールSVオートバイオグラフィを借りる機会があった。ジムニー・シエラでは何度か高速道路を走っているが、同じSUVの仲間ながら、その違いには驚かされた。
もちろんヴェラールはこの上ないほどに快適。でも、ジムニー・シエラに匹敵するチャーミングさは備わっていない。しかも、街なかでの燃費が3.5km/Lにまで落ち込むなどありえない。
客観的に見てすべてが褒められなくても、愛さずにはいられないクルマが存在する。例えば、先代のランドローバー・ディフェンダーやメルセデス・ベンツのゲレンデワーゲンなどは良い例だ。
英国の高速道路でも、風が弱く、雨が酷くなければ、一番左側の車線ならジムニーで問題ない。でもロンドンのM25号線と呼ばれる交通量が多い環状高速道路を、112km/hで走行中に強い横風が吹いたら、身の安全は保証できなさそうだ。
そのかわりジムニー・シエラには高いオフロード走破性を備えている。これは高速道での走行性能の差以上に大きい違いがある。
英国の場合、ジムニー・シエラのオーナーの多くは、一般的に走行距離が長くない地方に住んでいる。高速道路に乗る機会は少ないだろう。英国を南北に貫く高速道路、M1を主に走るようなドライバーが、ジムニーを買うことはないはず。