【乗るたびにハッピーになれる】スズキ・ジムニー・シエラ(2) 長期テスト
公開 : 2020.01.11 10:50
走行ノイズと車内の質感は指摘ポイント
ジムニー・シエラで気になる点は、高速道路であっても一般道であっても、常にうるさいということ。もちろん相対的なもので、筆者は様々な高級車にも乗っているから特にそう感じるのだと思う。
小さなスズキとともにする時間が長くても、ラジオのボリュームを上げれば、さほど気にならなくなる。ブルートゥースでスマートフォンと接続し、ハンズフリーでお話しながら移動もできる。とても便利だ。まるでプールの中で喋っているように聞こえるけれど。
インテリアは安っぽいプラスティック製パーツに溢れ、組み立て品質は低く、快適とは呼びにくい。貴重品を隠せる荷室がないことも困る。そのかわり、堅牢であることも気付く。
路上でマナーの悪いドライバーを追い越す時のスリルはまだ残る。駐車場ではあまりに小さいから、1台分のスペースを専有することに気がひけることもある。
褒められるところは、なんといっても素晴らしく楽しいクルマだということ。洗練性やダイナミクスに欠けるクルマが、楽しく感じられるか初めは懐疑的だったけれど、考えは大きく変わった。
ステアリングホイールを注意深く操作すれば、狙った通りに走れることが誇らしい。低速域で変速を繰り返すのも、ラリードライバーのような気分になれる。あるいはワイルド・スピードのエキストラ気分だ。
乗るたびにハッピーになれるクルマ
何より気に入っているのがジムニー・シエラのボディデザイン。好みはあるとしても、目立つことは間違いない。
しかも嬉しいのは、大げさなクルマと対象的なこと。ベントレー・コンチネンタルGTにしばらく乗っていたことがあったから、正反対の理由で注目を受けることが楽しい。
インテリアは安普請で、オンロードでの走行性能が劣っていても、ジムニー・シエラに乗るたびにハッピーな気分になる。いよいよ英国にも寒い季節がやって来た。スズキの4輪駆動の実力を、凍結した道路で試すことができるはず。
テストデータ
テスト車について
モデル名:スズキ・ジムニー(シエラ)1.5 SZ5 オールグリップ(英国仕様)
新車価格:1万8499ポンド(259万円)
テスト車の価格:1万9149ポンド(268万円)
テストの記録
燃費:13.8km/L
故障:なし
出費:なし
気に入っているトコロ
楽しませてくれる雰囲気:個性的でタフなコンパクト・オフローダーなら、多くの場所が冒険に変わる。たとえ都市部を中心にうろついているだけでも。
気に入らないトコロ
外から見えない荷物置き場がない:外から基本的に車内は丸見え。グローブボックスは小さく、せいぜい入っても財布や携帯電話だけ。バッグは隠せない。