ロードテスト フォルクスワーゲン・グランドカリフォルニア ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2020.01.11 11:50 更新 : 2020.01.20 06:05
操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆
モーターホームのオーナーは、大多数が運動性については妥協することを受け入れているだろう。安全性や安定性にも、それほど期待を寄せてはいないかもしれない。
それでも、自動車メーカーの内製モデルである。架装メーカーのそれより高いスタンダードにあることを望みたいところだ。
ハンドリングはどうか。おそらく、十分なレベルにないのなら、それを把握するには神経を集中しなければならないだろう。だが、このキャンピングカーは、一般的な公道や街なかの通り、駐車場などで十分に問題なく扱えるので、その走りの独自性を検分するに足る精神的な余裕を持って運転できる。
そうでなければ、クルマのクセや弱点への対処に終始することになるところだ。その点、フォルクスワーゲンはいい仕事をしたと言えるだろう。
たしかに、グランドカリフォルニアはビッグなクルマで、その大きさをごまかしきれてはいない。コーナリングは実にゆっくりで、重たげに感じられることもある。しかし、小さく角度のついたステアリングホイールは、それに抗うのを助けてくれる。
とはいえたいていの場合、思ったラインを通すことは簡単で、ボディの大きさを意識していれば、コーナーでもレーンでも意図した位置をキープできる。
ステアリングは、そのプロセスを明快にし、程よい手応えと適度な正確さ、切りはじめのレスポンスのよさをもたらす。いっぽうでシャシーは洗練され、よほど路面が悪くない限り、後輪が前輪の軌跡を忠実になぞる。
ボディコントロールはやや限定的だが、横グリップに比べれば、という話。そのため、適切なスピードでのコーナリングであれば直感的で、グリップのキャパシティをシンプルにわかりやすく、そして効果的にドライバーへ教えてくれる。