【意外?】もとは軍事/航空技術 クルマの世界に影響を与えた発明 9選
公開 : 2020.02.15 05:50
ヒーテッド・ウィンドスクリーン
導電性コーティングで覆われたガラス板に電流を流すことで、ガラスを加熱する機能のことを言う。
低温や高地でフロントガラスの凍結を防ぐため、第二次世界大戦中の航空機で広く使われていた。
戦後、安価で製造できるようになったため、冬のクルマのフロントガラスの除氷への利用が検討されるようになった。
フォードが初めてこのシステムを採用し、1974年のアメリカ国内のさまざまなモデルに使われたが、信頼性は低かった。
1985年、ヨーロッパ向けフォード・グラナダ(写真上)とフォード・トーラス(写真下)およびマーキュリー・セーブルに、より技術の高いヒーテッド・ウィンドスクリーンが採用された。
現在ではフォードの定番となっており、他の多くのメーカーでも採用されている。
チタン
素材としてのチタンは、非常に強く、軽く、腐食に強く、航空宇宙産業に最適とされている。
機体の92%がチタンで作られていた、アメリカのロッキード社製SR-71「ブラックバード」偵察機(写真)は、皮肉にもそのほとんどのチタンがロシアから調達されていた。
クルマで使われているチタン
チタンの利点はクルマにも当てはまるが、コストが高いため、通常の量産モデルには使用されていない。
チタン排気システムを搭載したコルベットC7などの、プレミアムスポーツカーやスーパーカーに採用されている。
2015年、世界初のフルチタン・スーパーカー、ICONAヴルカノが210万ポンド(3億円)で発表された。
V8エンジン
1902年にフランスの先駆者レオン・ルヴァヴァッスール(1863-1922)によって発明された最初のV8エンジンは、カナード機に取り付けられ、その後、第一次世界大戦中に戦闘機に搭載された。
V8エンジンは当初、プロジェクトの財政支援者の娘にちなんで「アントワネット」と呼ばれていた。
クルマに搭載されているV8エンジン
V8エンジンの発明なくしてクルマの歴史は語れないだろう。
今日の小型化時代でも、多くの人気のあるスポーツカーに搭載されている。
アメリカでは依然として人気が高く、ピックアップ、SUV、およびダッジ・チャレンジャーSRTのようなマッスルカーで採用されている。
レーダー
このテクノロジーは英語のRAdio Detection And Ranging(電波探知測距)を略してレーダー(Rader)と呼ばれるようになった。
1930年代、空爆を恐れる多くの国々で、他の国に知られないよう秘密裏に開発された。
レーダーは、爆撃機への攻撃をいち早く察知することで、戦いをより公平なものにすることができた。
1940年の英国空中戦で、イギリスがドイツ空軍に対して使用した、チェーンホーム・レーダーシステム(写真)が最初の成功例とされている。
クルマに使われているレーダー
レーダーのクルマへの使用は、1982年、トヨタがコロナにバックソナーを取り付けたのが始まりだ。
1998年、メルセデス・ベンツはレーダー技術をW220 Sクラスに使用し、量産車で利用可能なアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を世界に紹介した。