ジャガー、小型FWDモデルを計画か
公開 : 2013.08.13 12:03 更新 : 2017.06.01 02:15
ジャガーの関係筋によれば、厳しくなるEUのCO2規制を受けて、低エミッションのFWDモデルの生産が再検討されているという。現在、ジャガーはコンパクト・サルーンとクロスオーバー・モデルの開発に力を注いでいるが、それらの低エミッション・モデルは99g/kmでしかなく、ジャガー・ランドローバーの平均的CO2数値を、2020年に予定されている95g/kmに引き下げるのには充分な役目を果たさない。
BMWは、そのセールスの40%を占めるミニ・ブランドがあるため、この数値を達成することが可能となりそうだが、ジャガーは現時点ではこの数値をクリアすることが難しいというのだ。但し、小型車についてはマージンが少ないという問題も残っている。
EUは、2020年までに1年につき300,000台以上販売するメーカーに関しては、その主力モデルの平均CO2排出量を95g/kmにまで下げなければならないという法案を今年4月に採択している。ジャガー・ランドローバーの年間生産台数は700,000台であるから、この対象となるわけだ。特に、ビッグ・サイズのSUVを主力商品とするジャガー・ランドローバーにとって、この数値目標は深刻なものとなる。
しかも一部の政治家は、その数値を68-78g/kmにまで下げようという運動をしている。これは、EVをベースにしなければ考えられない数値だ。この提案は、フォルクスワーゲンやBMWの激しい反対にあっている。
BMWの会長、ノーベルト・ライトホファーはこれを「政治的な駆け引きであり、テクノロジーとあまりにかけ離れている。そのような規制は、ヨーロッパの自動車産業にとって、この規制が適用されないメーカーとの競争力を著しく低下させてしまう。」と批判している。
ジャガーのチーフ・デザイナー、イアン・カラムにとっては、コンパクトなモデルをデザインする仕事は、好ましい仕事ではある。彼は、メルセデス・ベンツCLAのような小型車のファンであるといっているぐらいなのだから。
「デザイナーとしては、小型のジャガーを作ってみたい。しかし、他にもするべきことが山ほどあるのだ。」とカラムはコメントしている。
ジャガー・ランドローバーとしては、2016年にデビューが予定されている新しいクロスオーバーが市場に出る頃までに、最終的な決断をしなくてはならないだろう。