ロードテスト ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.01.18 11:50  更新 : 2020.01.20 06:36

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

旧型ディスカバリー・スポーツは、オフロード向けシャシーでありながら、ハンドリングもなかなかのものだった。新型の改良版プラットフォームも、上々のハンドリングを見せる。

ステアリングはそれほど機敏ではなく、多くのオフローダー的クロスオーバーにあるやや人工的なマナーも見られる。だが、ゆったりとしていて、楽しめるフィールのランドローバーとなっている。

ボディコントロールは緩やかだが、B級道路でスタビライザーなしの初代ディスカバリーのようによろめくほどではない。
ボディコントロールは緩やかだが、B級道路でスタビライザーなしの初代ディスカバリーのようによろめくほどではない。    OLGUN KORDAL

ステアリングはギア比が速くないので、この手のクルマとしては敏捷さを誇る部類ではないが、走りは落ちついていて、言うなれば高級感がある。ほかにうまい言葉が思いつかないが。

JLRのほかのプロダクト同様、挙動は融通が効き、なおかつリニアさにも優れる。結果として、ステアリングのセットアップは、重くて背の高いディスカバリー・スポーツに適したものとなっている。物理的な事実を隠すことなく、それでも自信をもたらしてくれるのだ。

予想通り、ボディコントロールは緩やかだが、B級道路でスタビライザーなしの初代ディスカバリーのようによろめくほどではない。実際、ランドローバーはサスペンションのチューニングでいい仕事をした。

このクルマのロールの程度は、よく考えられていて、ステアリングのレスポンスとシームレスなマッチを見せる。走るにつれ、すべては楽しくてくつろいだ雰囲気になってくる。ただし、このクルマが求めるペースを大きく逸脱しなければ、だが。

もしも飛ばしすぎると、ピレリのオールシーズンタイヤを履いたシャシーが、グリップで飛び抜けたものではないことがわかるだろう。おそらくそれは、ESCが控えめなチューンだからだ。

このクルマのほどよいバランスと徐々に進む荷重移動を考えれば、普通に走っている限り、電子制御が介入する状況にはならないはずである。グリップレベルも、このシャシーの能力に見合ったものだ。

また、そのドライビング体験は総じてアジリティや精密さで語られるようなものではない。それより、ダイナミクスの一貫性や、驚くほど洗練された走りによって特徴付けられる類のものだ。

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