【記録的な落札額】マスタング・ブリット 過去最高の3億7000万円で落札 激しい入札争いの末
公開 : 2020.01.21 11:40
スティーブ・マックイーン主演映画「ブリット」で、サンフランシスコの街を駆け回ったフォード・ブリットが、初めてオークションに出されました。数分間の激しい入札争いの末、3億7000万円で落札されたそうです。
高額で落札されたマスタング・ブリット
マスタング・ブリットは、かの有名な1968年の刑事アクション映画「ブリット」で、スティーブ・マックイーンがサンフランシスコの街を駆け回ったフォード・マスタングGTだ。
これまでオークションで販売されたことはなく、過去40年間、ほとんどガレージに置かれたままになっていた。
1月10日、フロリダ州で開催されたキシミー・オークションに登場したブリットは、数分間の激しい入札争いの末、記録的な入札額340万ドル(3億7000万円)で落札された。
オークションはオセオラ・ヘリテージ・パークで行われ、ブリットは、何百人もの愛好家がその瞬間をとらえようとカメラを構える間を、ゆっくりとステージに向かって入ってきた。
「素晴らしいこの姿を見てください」と、所有者のショーン・キールナンは、ブリットを紹介した。
これまでの2度の売却時の価格を参考に、入札は3500ドル(38万円)でスタートした。
当然ながら、入札価格はすぐに跳ね上がっていき、250万ドル(2億7000万円)で一旦落ち着いたように見えたが、その後急上昇し、300万ドル(3億3000万円)を超えた。
最終的に、340万ドル(3億7000万円)でハンマーが落ち、ブリットは史上最高額のマスタングとなった。
ブリットの長く複雑な歴史
1960年代後半に始まった撮影では、劇中でマックイーンが運転した「ヒーロー」と、主にスタント用に使われた「ジャンプ」の2台のブリットが使用された。
今回オークションに出されたのは、映画史上最も記憶に残るカーチェイス・シーンの1つに登場した「ヒーロー」だ。
サンフランシスコを舞台に、スティーブ・マックイーンが10分間にもおよぶ追跡劇を繰り広げた。
撮影後は、行方がわからなくなっていたが、ジャンプは2017年にメキシコの廃品置き場で、2018年1月にはヒーローが見つかっている。
ヒーローは、最初にハリウッドのスタジオ・エグゼクティブに売却され、その後ニューヨークの探偵の手に渡っている。
その数年後の1974年には、ニュージャージー州の保険会社役員であったロバート・キールナンが、6000ドルで買い取っている。
キールナンとその家族が、数年間にわたり日常的に運転していたため、走行距離は4万8000kmまで伸びている。
その間、マックイーン本人から2度の売却オファーがあったが、断っているようだ。
1980年にメカニカルな問題が発生し、ガレージに入れられたまま40年近くが経った。
2014年にキールナンが亡くなり、これを相続した息子のショーンは、2018年の映画50周年に合わせて、レストアし世界に公開することを決めた。
幸いにも、オリジナルのコンディションを残した軽いタッチのレストアが施されていて、映画撮影時にできた傷や凹みも、そのまま残っている。
ワールドツアー中に「たくさんの要望を受け」て、ショーンは再びこのクルマを市場に出す決心をしたようだ。
長く複雑な歴史をもつハイランド・グリーンの1968年型フォード・マスタングGTファストバックは、新たなステージを迎える。
落札者についての情報が公開されるかどうかについては、明らかにされていない。