【傑作の2代目】フォルクスワーゲン・ゴルフII 前輪駆動/ハッチバック、確立した「ふつう」
公開 : 2020.01.25 05:50 更新 : 2021.10.09 22:40
ジェッタやシロッコ 幅広いラインナップに
ゴルフを起点としてVWがとったモデルラインナップの拡充も、今日よく使われている「モジュラー化」をよく現わしている。
2ボックス・スタイルのゴルフをそのままノッチバック化した4ドアセダン、ジェッタIはゴルフと同時期に開発されていたし、ゴルフのボディを少し低め、スポーティに仕立てたシロッコもゴルフIの時代からの派生モデルだ。
またスポーティ・モデルのGTiは、初代ではシングルカムだったが、この2代目ではDOHCエンジンが与えられ、より完成度が高まっていた。
変わり種としてビスカスカップリングのセンターデフを備えたフルタイム4WDモデル、ゴルフ・シンクロもラインナップされている。シンクロは今日に続くクロスオーバーSUVの先駆けともいえる存在だ。
一方、オープンモデルのゴルフ・カブリオは、初代と同じボディのままゴルフIIの生産終了(1992年)まで作り続けられた。
これは製造がVWではなくカルマン社が受託していたこと、そしてかなり大掛かりなボディ補強を施すなどオープンボディ化にコストが掛かっていたからである。
90年代のゴルフ・カブリオはそのクラシカルな雰囲気と相まって、わが国でも人気が高かった。
もうすぐ8代目がデビューするゴルフ。これを基幹モデルとするVWの世界観は、IIの時代にはほぼ確立されていたのである。