【正義とはいいにくい】ヒュンダイi10 プレミアム 1.0MPI ガソリンNA 67ps
公開 : 2020.01.24 10:20 更新 : 2021.03.05 21:37
シティカーに期待する軽快なハンドリング
活気を感じられるi10のボディデザインだが、そのイメージは走りにも反映している。ハンドリングは、初代i10にも備えていた活発な雰囲気を取り戻した印象。しかも、新世代としての熟成された落ち着きも獲得している。
ステアリングの操舵感は適度に重く、レスポンシブなハンドリングを楽しむことができる。これは、小さく軽快なシティカーに期待するドライバーも多いはず。
しかも落ち着きがなかったり、神経質ということもない。ゆったりとした運転席に座って走らせていると、不安感がとても少ないことがわかる。このクラスの中では珍しい。
今回は1.0Lと1.2Lの両方のエンジンを試乗できた。ヒュンダイは1.0Lユニットの方が英国では売れ筋になると考えているから、1.0Lの印象を先に触れよう。
最高出力はわずか67psということもあり、スポーティさを感じることは難しい。むしろ走行性能では、対局にあるような言葉だといっていいだろう。
確かに高速道路や流れの速いバイパスではパワー不足を感じることはある。だが、都市部を中心に走り回る限りは、67psでも問題は感じないはず。レスポンスは妥当だし、必要な時にちゃんと必要なぶんだけ力を発揮してくれる。
1.2Lの方が、パワーもトルクも余力を感じることができる。とはいっても、比べれば力がある程度で、ヒュンダイi10を小さなロケットマシンに変えてくれるわけではない。そちらは、ターボを積んだNラインに期待したいところだ。
新しいシティカーとして正義ではない
アップグレードされたヒュンダイi10の価格は、エントリーグレードの1.0SEが1万2495ポンド(178万円)から。1.2LエンジンにATが組み合わされた、トップグレードのプレミアムでは1万5495ポンド(221万円)になる。お手頃だといって良い。
だが、英国の場合はほとんどが月払いのローンを組むはず。予想される金額は180ポンド(2万5000円)から200ポンド(3万円)の間になるだろう。
3世代目となったヒュンダイi10は、従来的なガソリンエンジン搭載モデルを、シティカーの上位階層へ返り咲かせたといえる。競合する内燃エンジンモデルが少なくなる中で、珍しい存在ではある。だが、決して褒めているわけではない。
高まる環境意識とともにシティカーの存在が見直されている中で、ヒュンダイは古いモデルを改め、優れた新しいモデルを投入したに過ぎない。悪くないクルマではあるけれど、正直、正義とはいえないと思う。
ヒュンダイi10 プレミアム 1.0MPIのスペック
価格:1万4495ポンド(207万円)
全長:3670mm
全幅:1680mm
全高:1480mm
最高速度:156km/h
0-100km/h加速:14.6秒
燃費:20.0km/L
CO2排出量:101g/km
乾燥重量:921kg
パワートレイン:直列3気筒998cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:67ps/5500rpm
最大トルク:9.7kg-m/3650rpm
ギアボックス:5速マニュアル