【アウディの前身アウトウニオン】DKWを中心に130台がリ・ユニオン 後編
公開 : 2020.02.02 16:50 更新 : 2020.12.08 10:55
DKW F91リムジン(1954年)
オーナー:ウルリッヒ・メイヤー
DKW製のクルマは1950年代に用いていた名称が分かりにくく、モデルの変遷を理解することが難しい。
基本的に、第二次大戦後に初めて作られた903ccの3気筒エンジンを搭載するモデルは、ソンダークラッセとして知られている。F91は社内で用いられていた開発プロジェクト番号。F9から順番に、機械的に振られていた。
ちなみにこのF9は、戦前のプロトタイプで、終戦とともに東ドイツで消滅している。このF91の場合、リムジンという名前はサルーンのことを指している。またF91にはピラーレスのクーペ、コンビ・エステート、コンバーチブルも存在している。
DKWが得意とした2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンより堅牢。しかも4ストロークの6気筒並にスムーズだった。
「このクルマはレストアをしていない、新車時からオリジナルのままです」 と話すオーナーのウルリッヒ・メイヤー。彼はF91ソンダークラッセのカブリオレと、DKW F89ユニバーサルもコレクションとして所有しているという。
「わたしはこのクルマを、日曜日に教会へ行くためだけに乗っていたという人から購入しました。しかも夏場だけ。オーナーが亡くなり、20年前にその奥さんから譲り受けたのです」
「購入した時点で、10年近くガレージに眠った状態でした。走行距離は3万4000km足らず。通っていた歯医者さんで、クルマが売りに出ていることを偶然聞いたんですよ」