ロードテスト BMW 330d ★★★★★★★★★☆
公開 : 2020.01.25 11:50 更新 : 2020.01.26 05:59
内装 ★★★★★★★★★★
ラゲッジルームより前のキャビンに、セダンとの違いは見出だせない。つまり、その構造はBMWらしさを容易に認識できる。ダッシュボードは階段状デザインを進化させたもので、マテリアルのフィッティングもフィニッシュも、すばらしく水準が高い。
華やかさや派手さで群を抜いているわけではない。しかし、プレミアム感は文句なしだ。見た目の質感は、アルファ・ロメオ・ジュリアやジャガーXEを寄せ付けない。もっとも、330dの最上位グレードは5万ポンド(約700万円)近くに達するのだから、当たり前といえばそれまでだが。
それでも、BMWの常で、機能性が二の次になることはない。シートポジションもステアリングコラムも、調整機能は実にみごとだ。
ただし、テスト車は1900ポンド(約26.6万円)のプレミアムパッケージ装着車で、それに含まれる電動調整式スポーツシートが果たす役割もここでは大きい。サポートはもちろん、快適性にもこれという不満はなかった。
そして、BMWといえば今や欠くことのできない、インフォテインメントシステムのダイヤル式コントローラーはもちろん装着されている。これは、走行中の操作性を高めてくれるアイテムだ。
後席が売り物になるほど広いというのは大げさだが、それでも競争力は十分にある。前席に背の高いドライバーが座った場合でも、その背後で乗員のひざがフロントのシートバックに近づきすぎることはない。
ヘッドルームも上々だ。ただし、大人が中央席に座るのはちょっと厳しいものがある。
荷室容量は、後席使用時で500Lと、クラストップではないものの強みはある。ボルボV60はこれを29L上回るが、メルセデス・ベンツCクラスのワゴンは460L、アウディS4アバントは420Lと、いずれも3ツーリングに及ばず、しかもその差は小さくない。
後席は、荷室の壁面に設置されたボタンを押すのみで倒せる。最大容量は1510Lで、これはV60さえも凌ぐ。
さらに、3ツーリングにはこれまでも見られた特筆すべきセールスポイントがある。リアウインドウが独立開閉できるのだ。テールゲートを開かずに、荷室にアクセスできる便利な装備である。