ロードテスト BMW 330d ★★★★★★★★★☆

公開 : 2020.01.25 11:50  更新 : 2020.01.26 05:59

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

高いレベルのアジリティを手に入れた3シリーズ・ツーリングだが、その代償はやはりある。アダプティブダンパーをコンフォートにセットすると、パッシブダンパーのMスポーツ仕様よりしなやかで懐の広いフィールがすぐに感じられる。しかしながら、Cクラスなどと比べると、走りの洗練性にはまだ不十分な点が見えてくる。

もちろんこれは、より活発な走りを意図した決定の結果だ。このクルマがスポーティさを優先するのは疑問だが、多くのユーザーがそれを望むのなら仕方ない。

ユーザーが望むとはいえ、スポーティさを優先した結果、低速での乗り心地に落ち着きのなさが出てしまっている。
ユーザーが望むとはいえ、スポーティさを優先した結果、低速での乗り心地に落ち着きのなさが出てしまっている。    MAX EDLESTON

しかし、この330dツーリングの低速での乗り心地は軽く落ち着きがなく、路面不整による頻繁な突き上げによって途切れ途切れなものとなる。

ダンパーは衝撃の鋭いエッジを丸めてはくれる。そのため、市街地では比較的一定した乗り心地で、疲れのもとになるような粗さに悩まされることはない。

もっと開けた道路の速度域に入れば、なかなかの安定ぶりを見せる。プライマリーライドは、うねった路面にあってもなめらかで、それでいて勢いがあり、抑えが効いてもいる。

キャビンの静粛性も高められた。113km/h巡航時の騒音レベルは65dbで、昨年のテストで70dBを記録したS4に比べれば、チャーチのような静けさに感じられる。

ロードノイズや風切り音と無縁というわけにはいかないが、それらを苦痛でないほどに和らげる能力は優秀だ。十分に快適で有能な長距離ツアラーだと呼ぶに足るものだと言っていい。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事