【オーロラを追いかけて】ロールス・ロイス・ドーンで行く オーロラ見学ツアー 後編
公開 : 2020.02.16 18:50
ドーンの二面性
一方でドーンが持つ二面性には驚かされた。
まるで映画のように過ぎ去る景色を眺めることの出来る展望車の如き静けさと高級さに包まれていたかと思うと、次の瞬間には解放感とともに素晴らしいドライビングを楽しませてくれる。
さらに、回転計の位置に設置されたパワーリザーブメーターが代表する、このクルマに溢れる「知る必要のあることだけ」というその精神にも感嘆させられた。
まるで、「細かいことなど気にせずお寛ぎ下さい」とでも言っているかのようだ。
それは、ドーンのエアサスペンションやステアリング、ブレーキ、エンジン、そしてトランスミッションにも徹底して見ることが出来る。
低速における車高調整機構とエンジンブレーキのセッティング以外、ドライビングモードなど存在せず、ギアさえドライバーは選択することが出来ない。
だが、そのスムースな走りの裏では、それぞれが快適且つ迅速な移動を可能にすべく必要な制御を行っているのだ。
オーロラを追いかけるために、37万1000ポンド(5286万円)のロールス・ロイスなど必要ないということだろう。
ひとつかふたつのアプリとクルマ、そして忍耐力があれば良い。
そして熱い紅茶の用意もお忘れなく。
番外編1:旅のルート
エディンバラを出発したわれわれはフォース湾を越えて、パースまで1時間ほどののんびりとしたクルージングを楽しんでいる。
インヴァネスシャーまでA9号線を312km北上すると、ロス、クロマーティ、サザランド、ケイスネスを抜け、1日目の夜を過ごすべくオークニー行きのフェリーに乗っている。
帰りも同じルートを通って二日目の夜を過ごしたアボモアへと戻ってきた。
番外編2:世界オーロラ紀行
アイスランド
オーロラ圏の真下という理想的な場所に位置しており、この国では素晴らしい眺めを楽しむことが出来る。
ヘラの町にあるホテル・ランガではオーロラ出現時にウェークアップコールまでしてくれる。
レイキャビクからは、この島のリングロードと呼ばれる周回路を反時計回りに90分だが、時計回りの場合15時間を要する。
フィンランド
ヘルシンキからラップランド地方に属するトルニオまでは8時間のドライブだ。
ここからノルウェーの海岸線にあるトロムソの街まで、618kmの「ノーザンライツ・ルート(オーロラの道)」と呼ばれる道が繋がっており、専門家の間で人気となっている。
カナダ
カルガリーから5時間で世界第2位の規模で夜空を保全しているジャスパー国立公園へと辿り着く。
ルイーズ湖まではトランスカナダハイウェイを通り、その後、ところどころに氷河が顔を出すアイスフィールド・パークウェイに乗れば、人気の観測スポットであるメディスン湖に到達することが出来る。