【体重まで計るの?】グッドイヤー飛行船、乗船レポート 先客が降りないワケとは
公開 : 2020.01.28 17:50 更新 : 2021.03.05 21:27
飛行船ならでは 乗船ルール
一方、下では飛行船を待ち受けていた地上スタッフが吹き流しで風向きを知らせ、車輪が着地すると飛行船からぶら下がっていたロープをつかむ。左右にあるプロペラの向きを変えて着地が完了。
それでも飛行船は少しずつ左右に動くが、落ち着いたところでいよいよ搭乗となった。
ただ、搭乗するにもいろいろとルールがあるようだ。1人ひとりの体重を事前に量っていたが、どうもその体重が重要らしい。
飛行船に乗り込むと前に乗っていた人がそのまま座っているではないか。これじゃ、我々が乗ったら定員を超えてしまうのでは? そう思っていると、すぐに状況が理解できた。
1人が乗っては1人が下りていく。これを繰り返していかないと飛行重量が変わってしまい、安定して着地していられないようなのだ。
大空へ
まさに巨大な風船とも言える飛行船ならではの乗船風景だ。
浮き上がるときはヘリコプターのようなパラパラとした音に混じって、エアが吹き出すシューッという音が聞こえた。
やがて外の風景が眼下へと下がっていき、気付くとラスベガスの住宅街の向こうに山々が見えるようになってきた。
乗船レポート 船内は?
飛行機のような加速感もなく、ほとんどGを感じることなくゆったりと上昇していく。
プロペラがあることで前進していく感覚はあるが、それも周囲の風景が動いていることで感じる程度。これこそ飛行船ならではの飛行感覚なのだろう。
船内には操縦席2名分に加えて10人分のシートがあり、後端には横になれそうなシートも用意してあった。もちろんトイレも装備。
巨大な飛行船全体からすれば、船内は小さなものだが、座るスペースは思ったよりもゆったりとした雰囲気。飛行中の騒音はかなり静かなもので、実は窓の一部は外の空気が入り込む状態となっていたが、それでも普通に会話ができる。
眼下にはプール付きの豪邸が並ぶ住宅街が広がるが、聞けば乾燥地帯だけにいざという時の防火水槽の役割も果たすのだという。
それにしても、プール付きの家がこんなにも並んでいるなんて、みんながラスベガスでひと山当てたというわけでもないだろうし、アメリカの豊かさを空から実感したような一コマだった。
トランプホテル発見
やがて、プレミアムアウトレットやラスベガスの街並みが眼下に見えて来た。ド派手なトランプビルの周囲には、同じような金ピカのホテル群が建設中。来年あたりはますます街並みがド派手になるんだろうか。
そのまま南下すると、ちょうどフリーウェイの真上に来た。片側4車線の広い道幅を多くのクルマが縦横無尽に走っている。
さらにマッカラン国際空港からは旅客機がひっきりなしに離着陸しているのが見えた。これらもまたアメリカらしい風景だ。そして折り返し地点のマンダレイベイホテルの上空に到達し、ここで出発した空港へ向かうとのアナウンス。あとは、来た道をたどって帰着だ。
降下するにあたってはパイロットが慌ただしく、何やらいろいろな操作を繰り返している。エアの調整やプロペラの角度など、この辺りは経験が重要なのかもしれない。
まさに飛行機とは違った飛行船ならではの快適な遊覧飛行となったことをご報告しておこう。