【最高のハイブリッドSUVは?】ホンダCR-V vs トヨタRAV4 vs スバル・フォレスター vs レクサスNX 後編

公開 : 2020.02.08 20:50  更新 : 2021.01.28 18:33

ディーゼル離れが進むなか、今回は4台の日本製ミッドサイズ・ハイブリッドSUVを集めた比較テストを行いました。いまや燃費性能に優れているのは当然のことであり、今回のテストで勝因となったのは、ハイブリッドを感じさせない自然なフィールだったようです。

中味も大きく進化

少なくともAUTOCAR読者にとって、最初にもっとも魅力的なハイブリッドクロスオーバーだと映るのはこのクルマだろう。

その無骨さを感じさせるデザインは、現在ピックアップモデルのタコマなどでトヨタに馴染み深い米国のタフなオーナーたちをも惹きつけるに違いない。

NX Fスポーツには締め上げられたサスペンションが採用されている。
NX Fスポーツには締め上げられたサスペンションが採用されている。

キャビンには、作業用グローブをしたままでの運転も視野に入れたモデルのように、ゴムでカバーされたベンチレーション用ロータリーダイヤルや、大きなトグル式シートヒータースイッチなど、本物志向のこだわりが見られるとともに、様々な電子機器用のコネクターまで装備されている。

さらには、簡単にひっくり返すことの出来るトランクフロアの裏面は、汚れたものも気兼ねなく載せられる樹脂製であり、ところどころに見られる硬い樹脂製パネルを除けば、キャビン全体のフィールはその価格に見合った品質を感じさせる。

この最新のRAV4はその中味も大きく進化させている。

新たなプラットフォームは旧型よりも約50%強度を増すとともに、グランドクリアランスを拡大したにもかかわらず、低重心化をも達成していると言う。

パワートレインは基本的にレクサスの姉妹モデル譲りだが、RAV4に積まれたものの方が新しく、冷間時のパフォーマンス向上を図るべくバッテリーにはニッケル水素ハイブリッド電池を採用している

電気モーターと2.5Lエンジンの合計出力が220ps以上に達するRAV4は驚くほどの速さを見せるとともに、このトヨタ最新のハイブリッド技術を採用した他のモデル(例えばカローラもそうだ)同様、そのパワーデリバリーは非常にリニアであり、先代よりもはるかに高い完成度を誇る。

驚くべき低CO2排出量

それでも完成度の面ではホンダに劣ると言わざるを得ない。

冷間時、このクルマのエンジンが騒々しいサウンドを発する一方、CR-VのVTECエンジンはほとんど感知できないほどの静けさで起動と停止を繰り返しており、RAV4の大排気量エンジンははっきりと自らの存在を主張するのだ。

燃費と洗練性の両面でベストな1台を見つけ出すには、慣れるには少し時間が掛かるかも知れないが、さまざまなドライビングスタイルを試す必要がある。有難いことに、すべてのモデルにエネルギーフローの表示画面が備わっており、いま起動しているのがエンジンなのか、電気モーターなのか、またはその両方なのかを確認することが出来る。
燃費と洗練性の両面でベストな1台を見つけ出すには、慣れるには少し時間が掛かるかも知れないが、さまざまなドライビングスタイルを試す必要がある。有難いことに、すべてのモデルにエネルギーフローの表示画面が備わっており、いま起動しているのがエンジンなのか、電気モーターなのか、またはその両方なのかを確認することが出来る。

一方で、速度を上げていった場合の接地感ではRAV4が勝っており、駐車場でも扱いやすい直観的な操作が可能なブレーキとともに、全般的に見ればより印象的なハンドリングを備えている。

だが、RAV4の乗り心地にはCR-Vほどの高級感が感じられず、路面不整もシートやステアリングを通してより明確に伝わって来る。

それでも、その差はレクサスほど大きなものではなかった。

このクラスで重視されるのはやはり車両価格であり、だからこそ、トヨタRAV4とホンダCR-VであればFFモデルも選択可能であるという点が大きな意味を持っている。

3万ポンド(429万円)をやや上回る程度の価格から購入可能なこの2台のエントリーグレードであっても、装備はそれなりに充実しており、その結果、RAV4とCR-Vは今回のテストで圧倒的に優れたオールラウンダーというだけでなく、もっとも手に入れやすいモデルともなっている。

さらに、RAV4にはこの手のモデルとしては特筆すべき、WLTP基準で131kg/kmに留まるCO2排出量という強みがあり、もしカンパニーカーをお探しだというのなら、この4台のなかでもっとも注目すべき1台と言えるだろう。

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