アウディA5クーペ 1.8TFSI Sライン
公開 : 2012.04.17 17:25 更新 : 2017.05.29 18:18
■どんなクルマ?
典型的なエントリー・レベルのグレードが、そのモデルの最も輝くグレードであるということは極めて稀だが、このアウディA5クーペはその稀な例だろう。2012年モデルになってフェイスリフトを受け、バンバー、グリル、ボンネット、そしてフロントトリアのライト・クラスターのデザインが変更になり、それまででも十分に魅力的だったインテリアも更に改善されている。
■どんな感じ?
4気筒1.8リッターのTFSIユニットは、多くの新技術を導入するためにほぼ新設計されたといっても過言ではない。効率を中心に手が加えられたこのエンジンは、出力的には10bhp多い168bhpをマークするようになった。エントリー・レベル向けのエンジンとはいっても、欠けたところは何一つとしてない。
32.6kg-mのトルクは、ガソリン・エンジンとしては強大で、0-100km/h加速7.9秒という俊足ぶりを発揮する。これは、ロー・エンドでのトルク発生が十分であるということを示している。
修正されたパワー・ユニットの重さは131.5kg。これは1425kgの重量に貢献していると共に、より大きく重いパワフルなエンジンを搭載するモデルでは問題となる安定性や器用さの欠如を克服しているのだ。
しかし、残念ながらわれわれがテストしたSラインは、若干ながらその好印象を下げるものであった。Sライン・トリムでは、スカート・パッケージ、マルチファクション・ステアリング、ナッパ革のスポーツ・シート、スプリングとダンパーのセッティングを固くしたスポーツ・サスペンション、そしてスタンダードな17インチに変わって18インチのホイールが付けられる。
英国の道では、その固められた足が、穏やかでリラックスできる乗り心地を損なっているように感じられたのだ。また、電子機械制御のステアリングは、燃費を良くするのには効果的だが、路面のレスポンスを感じたい時でも、デッドな感覚しか与えてくれないのだ。
アウディは、このA5の燃費が17.6km/lであると発表しているが、われわれのテストでも13.7km/lという値をマークした。これは、テスト車両の走行距離が短く、こなれてなかったことも考慮に入れなければならないだろう。
■「買い」か?
一方で4WDの効果なA5はそのパフォーマンスにおいて人々を惹きつけるかもしれないが、このエントリー・レベルのグレードはその魅力的な価格でオールラウンドに訴求することだろう。
(マット・バート)
アウディA5クーペ 1.8TFSI Sライン
価格 | 30,560ポンド(390万円) |
最高速度 | 230km/h |
0-100km/h加速 | 7.9秒 |
燃費 | 17.6km/l |
Co2排出量 | 134g/km |
乾燥重量 | 1425kg |
エンジン | 直列4気筒1798cc |
最高出力 | 168bhp/3800rpm-6200rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1400rpm-3700rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |