ロードテスト 日産ジューク ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.02.08 11:50

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

新型ジュークのデザインの方向性は、ずっと極秘扱いとされてきた。この数年、それについて日産のデザイナーたちに話を振ると、誰しもがただほほえみながらうなずいた。

彼らが認めたのは、初代を個性的なクルマ足らしめていた風変わりなデザインを、新型でもキープすべきだと十分理解しているということのみだ。

ホイールベースは100mm延長。エンジンは999cc直3ターボガソリンのみだが、今後はハイブリッドも加わる見込みだ。
ホイールベースは100mm延長。エンジンは999cc直3ターボガソリンのみだが、今後はハイブリッドも加わる見込みだ。    OLGUN KORDAL

ライバルが増えたこのセグメントを勝ち抜くべく、ジュークの強みを活かすために、大きくスクエアになるのが当然とは考えられなかった。

それでも、新型は先代より大きく、スタイリングもやや一般的なものに近づいた。とはいえ、大胆なラインとディテールのおかげで、独特のデザインやヴィジュアル的インパクトは健在だ。

もしも日産が、先代ジュークで室内の実用性を満足行くものにできていたなら、新型のエクステリアを先代よりプレーンで合理的に仕立てることはなかっただろう。使い勝手の向上は、成功の鍵となるファクターだ。

新型ジュークは拡大したとはいえ、それもほんのわずか。同等の仕様で比較した場合、重量増加もみられるが、それほど大きく違うわけではない。

全長は50mm少々伸び、全幅と全高の拡大は50mm以下。エントリーグレードのビジアでは、先代より19kg重い。ボディがやや大きくなり、装備内容が充実し、室内スペースが広がったことを踏まえれば、その程度の増量に留めたというのは悪くない。

シャシーのベースとなっているのは、ルノーと共用するアライアンスプラットフォームというべきもの。CMF-Bと銘打たれたそれは、刷新されたクリオやキャプチャーにも採用されている。

オールスティールのモノコックは、フロントに独立懸架のストラット、リアにトーションビームという組み合わせのサスペンションを装備。ホイールベースは、100mmも延長された。

今のところ、エンジンの選択肢は999cc直3ターボガソリンのみ。ダイムラーと共同開発したユニットで、新型クリオやアップデートされた日産マイクラ、最新のダチア・ダスターにも搭載されている。

最高出力は117ps、最大トルクは一時的なオーバーブースト作動時で20.5kg-m。トランスミッションは6速MTと7速DCTが用意され、前輪を駆動する。なお、今回のテスト車はMT仕様だ。

今後、パワートレインのラインナップは拡充される見込みで、日産ではガソリンハイブリッドの導入を示唆している。ただし、ディーゼルと4WDの追加に関しては否定している。

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