ロードテスト 日産ジューク ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.02.08 11:50

走り ★★★★★★★☆☆☆

新型ジュークのスペックは、ライバルに十分太刀打ちできるパフォーマンスを見せるはずだと思わせるもの。しかし、唯一用意されたエンジンは、このクラスで競争力を発揮するにはやや力不足気味である。

今回は冷たい雨の中でのテストではあったが、たとえドライコンディションであったとしても、その評価が変わることはないはずだ。

今回は冷たい雨の中でのテストだったが、たとえドライコンディションでも、このクラスで競争力を発揮するにはやや力不足気味だろう。
今回は冷たい雨の中でのテストだったが、たとえドライコンディションでも、このクラスで競争力を発揮するにはやや力不足気味だろう。    OLGUN KORDAL

0-100km/h加速の公称値は10.4秒。テスト時のコンディションを考えれば、実測値がコンマ5秒程度は遅くなってもしかたないところだ。しかし、その差が最低でも1.5秒ほどに広がるとなれば、話は違ってくる。

ここから推測されるのは、このエンジンが慣らしにかなりの距離を必要とすることだ。さもなければ、単にこのエンジンが、期待したほどのフレキシブルさや速さを備えていないのかもしれない。

変速ありでの48~113km/h加速タイムにも、不安要素が見出だせる。2017年に計測したセアト・アロナ 1.0 TSIは、新型ジュークより非力だが、1秒以上速かったのだ。となれば、導き出される結論も同じようなものとなる。

この3気筒エンジン、全開時には、主観的に見る限り十分に力強く、5000rpm辺りまでよく回る。ただし、真にエンスージアストを満足させるような性質とはいえないが。

低回転域で、ターボのレスポンスが明らかに遅いのは短所に挙げられる。エンジンがパートスロットルにどう反応するかを把握するまでは、わずかながらドライバビリティを損なうハードルになるだろう。

もっともそれは、スポーツモードを選ばない限り、すぐさま大きな問題になるようなものではない。また、スロットルペダルの踏みはじめ数cmをひときわ注意することに慣れてしまえば、それほど気にしなくて済むはずだ。

残りふたつのペダルに関しては、ありがたいことに操作がずっと楽で直観的。ていねいなチューニングが功を奏しているといっていい。6速MTのシフトクオリティはなかなかに軽く、なめらかで、曖昧なところはない。

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