ロードテスト 日産ジューク ★★★★★★★☆☆☆
公開 : 2020.02.08 11:50
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
背の高いコンパクトカーが、そこそこ上級グレードとはいっても19インチホイールを標準装備するというのは驚くべき事実だろう。日産は、このジュークが型通りのクルマではなく、いくつかの点では実に合理的だと即答するのではないか。
それはともかく、そのホイールは乗り心地に悪影響を与えている。ヴィジュアル的な魅力やグリップレベルは高まっているのだが。
A級道路や高速道路の速度域では、背景音として多少のタイヤノイズがキャビンに聞こえてくる。もっとも、かなり低いことは変わらず、このクルマの洗練度を目に見えて損ねるほどではない。
ただ、ロードノイズは路面状況によってレベルが変化する。舗装が荒れていたり目が粗かったりすると、スムースで目の詰まったところよりも悪化するのだ。とはいえ、それが気になってしまうのは、後者から前者へと移ったときくらいだが。
しかしながら、セカンダリーライドはバンプやエッジに遭っても、思うほど雑でドタバタすることはない。プライマリーライドのコントロールぶりは立派なものだ。
鋭い入力はときとして車軸を突き上げるが、ハーシュはほとんどない。運動性能の進歩には多大な労力が注ぎ込まれたとみえるが、同時に乗り心地のチューンもていねいに行われたことがよくわかる。
シートの快適性は良好だが、全体的なサポート性はキャシュカイのレベルに達していない。その一因は、日産がこのクルマのシートバックをスポーティなルックスのモノフォルムとしたことにある。ヘッドレストが一体化されたことで、アジャスト性が低くなっているのだ。