【JLRラルフ・スペッツCEO退任】ジャガー・ランドローバー復活の立役者 功績を振り返る

公開 : 2020.02.06 20:25

さらなる活躍に期待

最近、英国の市民権を取得したことで、この第二の故郷とも言うべき国への貢献に対して、名誉あるナイトの称号を授与されている。

さらに、彼はその深い知見に基づき、特にバッテリー生産設備の本格稼働といった重要なプロジェクトにおいても主導的な役割を果たしている。

ラルフ・スペッツCEO退任
ラルフ・スペッツCEO退任

それにはミッドランズ地方にある大学との緊密な連携も大いに貢献しており、すでに大学発のイノベーションを大規模なバッテリー生産へと繋げるための、英国バッテリー産業化センターを実現させている。

今年9月でのスペッツ退任を明らかにしたJLRの発表では次期CEOについての言及はなく、タタグループ会長のコメントによれば後任探しは始まったばかりのようだ。

だが、スペッツ自身が公表したコメントは、「個人的には、エキサイティングで新しいチャレンジを楽しみにしています」という興味深い一文で結ばれている。

おそらく、巨大企業の舵取りという重責から解放されたスペッツの情熱は、将来のモビリティーへと向けられることになるに違いない。

出来れば、その舞台が引き続き英国であって欲しい。

番外編:JLRの救世主 新型イヴォーク

2019年最後の四半期、JLRは税引き前利益として3億1800万ポンド(453億円)を計上している。新型レンジローバー・イヴォークのヒットと中国市場の回復、そしてコスト削減が功を奏した結果だ。

第3四半期までの売上高は64億ポンド(9118億円)であり、販売台数ではやや減少したものの、対前年同期比で2.8%のプラスだった。

新型イヴォークのヒットが収益の押し上げ要因となった。
新型イヴォークのヒットが収益の押し上げ要因となった。

市場が持続的に回復したことで、中国での販売台数は前年から24.3%の大幅な伸びを記録している。

プロジェクト・チャージという名の構造改革が始まって以降、JLRではコスト削減額が29億ポンド(4132億円)に達したとしている。

次のステップでは、2021年3月までにさらに11億ポンド(1567億円)のコスト削減とキャッシュフローの改善を目指すと言う。

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