【優勝車の中から最高の1台を選ぶ】1958年製フェラーリ335Sスパイダー「最も素晴らしいクラシックカー」賞に輝く
公開 : 2020.02.08 18:50
各地のコンクールで優勝した名車揃い
ニコラス・エベルが所有する1950年製アバルト205モンツァ・ベルリネッタも最終候補に残った1台。昨年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで行われたカルティエ・スタイル・エ・リュクスの優勝車だ。
ルバロンがコーチワークを手掛けた1931年製スタッツCV32コンバーティブル・ヴィクトリアは、クウェイル・モータースポーツ・ギャザリングでベスト・オブ・ショーを受賞している。
ジョン・ファサル所有のバーカー製ボディを持つ1919年製ロールス・ロイス・シルバー・ゴースト・トーピード・スキッフは、ハンプトン・コート宮殿で行われたコンクール・オブ・エレガンスでベスト・イン・ショーに輝いた。
2台のベントレーも受賞を逃す
昨年、創立100周年を迎えたベントレーも、2台が最終候補に残っていた。1台は賞の共同設立者でもあるサー・マイケル・カドゥーリーが所有する1931年製8リッター・デュアル・ カウル・ツアラー。ガーニー・ナッティング製ボディを持ち、昨年ペブルビーチで大賞を獲得した車両だ。
もう1台のベントレーは、フリーストーン&ウェブがボディを製作した1931年製8リッター・フォーサム・クーペだ。こちらは昨年チャンティリー・アーツ&エレガンスで優勝している。
しかし、審査員を務めたジェイ・レノ、ニック・メイソン、ヘンリー・フォードIII世たちは最終的に、5回目となるこの賞の栄誉をフェラーリに与えることに決めた。
受賞理由は歴史と美しさ
「ペニンシュラ・クラシックス・ベスト・オブ・ザ・ベスト・アワードの優勝車を1台選ぶことは困難でした。なぜなら、どのクルマも既に世界で最も権威ある賞のいずれかに選ばれたものばかりだからです。どのクルマも文句の付けようがありませんでした」と、レノは語っている。「2019年のベスト・オブ・ザ・ベストとして、われわれはレース戦績を含む詳細な歴史が残っているフェラーリを選びました。もちろん、非常に美しいクルマでもあります」。
モーリンガーはこの言葉に頷いているだろう。「このフェラーリは美しいスカリエッティによるコーチワークと、レーシングカーとしての血統を兼ね備えた希有な1台です」と語る。「非常に注目に値するこのクルマをレストアし、取り戻した往年の輝きを世界中の皆さんと共有できることは、喜び以外の何物でもありません」。
「このクルマがどれほど特別であるかを、審査員の方々が認めてくださったことに興奮しています。このような栄えある賞をいただいたことを大きな誇りに思います」。