【マイルドHVに一本化】フィアット500ハイブリッドに試乗 弱みも許せる個性
公開 : 2020.02.11 10:20
イタリア製コンパクトらしい個性
ステアリングには若干曖昧なところがあり、フィーリングも希薄。ボディロールは小さくなく、フロントタイヤのグリップ力も、限界は案外手前にある。
だとしても、このイタリア製コンパクトらしい個性が、運転したい気持ちを高めてくれる。運動性能の僅かな欠点のいくつかも、許せる気になるだろう。
インテリアは13年前と変わらず、スタイル優先。シートのクロスにはリサイクル・プラスティックが用いられており、環境に優しいフィアット500の雰囲気によく合う。しかし、ドライビングポジションは褒められない。
特にシートポジションの調整代が不足気味。背の高いドライバーは頭が屋根に付きそうだし、足元も窮屈だ。
フィアット500に興味を持っているなら、選択肢は意外と少ない。フィアットが新しく生み出す500は、すべてがこのマルドハイブリッド仕様となる。少なくともフィアット500eが登場するまでは。
フィアット500マイルド・ハイブリッドの英国価格は、1万2665ポンド(181万円)から。今のところ最上級グレードとなるローンチ・エディションを選ぶと、1万6795ポンド(240万円)に上昇するが、このボディサイズとしては予想の範囲内だ。
一方で欧州では、純EVとなるスコダ・シティゴーが、フィアット500の上位グレードとほぼ同じ値段で手に入ってしまう。内燃エンジンから完全に別れを告げたコンセプトの方が、ユーザーによっては訴求力が高いかもしれない。
フィアット500マイルド・ハイブリッド・ローンチ・エディションのスペック
価格:1万6795ポンド(240万円)
全長:3700mm
全幅:1660mm
全高:1650mm
最高速度:167km/h
0-100km/h加速:13.8秒
燃費:18.8km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:980kg(予想)
パワートレイン:直列3気筒999cc自然吸気+BSG
使用燃料:ガソリン
最高出力:70ps/6000rpm
最大トルク:9.3kg-m/3500rpm
ギアボックス:6速マニュアル