【優れた燃費に運転の楽しさプラス】トヨタ・ヤリス・プロトタイプへ試乗
公開 : 2020.02.14 10:20 更新 : 2021.01.28 16:42
コーナリングが楽しめるヤリス
この燃費は、ヤリスがワインディング・ロードでずっと楽しく活発に走るようになったことを考えれば、素晴らしい結果だといえる。ステアリングホイールへ伝わる情報量は少ないものの、重さは自然でとても正確。路上で狙った位置にクルマを導け、ボディロールも限定的だ。
グリップ力も高く、操縦性はしっかりしていて機敏。確かにステアリング・フィールやマニュアル・ギア、自然なバランスを持つフォード・フィエスタの方が運転はより楽しい。しかし、ヤリスのコーナリングも楽しめるようになった。
残念だったのが、試乗車が履いていた17インチのホイール。ヤリスで選べる中では最大径のもので、乗り心地は硬め。緩やかに波打った路面は滑らかに処理できるが、大きな路面の剥がれや継ぎ接ぎ部分では、不快な振動を発していた。
16インチなどでは改善されると思いたいが、このクルマはまだプロトタイプでもある。インテリアでも、生産レベルに達していないプラスティック製パーツが目に入った。量産までに良くなることを期待したい。
ダッシュボードはソフト加工され、ドアの内張りにはファブリックが大きく張られている。高級感のあるスイッチ類は、感心するほどだった。
インフォテインメント・システムは少々デキが悪い。グラフィックは数年前風で、反応も鈍い。欧州仕様の場合、ナビゲーションの案内も良いとはいえず、時々ルートを追うのが難しいほどだった。
コンパクトカーのランキング上位へ
荷室容量は286Lとクラスの中でも小さい方。だが、荷室の床面の高さは2段階に調整でき、利便性は高そうだ。乗員空間は3代目より大きくなり、身長180cmを超える人が運転席に座っても、リアシートにも充分同じ体格の大人が座れるだろう。
新しいヤリスは、優れた燃費性能と環境負荷の軽減を果たしながら、明確に良好なドライビングフィールを獲得してきた。大きく前進したことは間違いなさそうだ。
フォード・フィエスタの輝きが薄まることはないが、以前のようにヤリスのパワートレインにヤキモキすることはなくなった。ハンドリングにも、まとまりが出ている。
最終的にどれだけの競争力を獲得するかは、価格と仕様にかかってくる。このプロトタイプから、どこまで最後の磨き込みをかけられるかも重要だ。
まだ具体的な評価を与える段階ではない。しかし、新しいトヨタ・ヤリスが、コンパクトカーのランキング上位に食い込んでくる可能性は充分にあると感じた。
トヨタ・ヤリス・プロトタイプのスペック
価格:1万6000ポンド(228万円)
全長:3940mm
全幅:1695mm
全高:1500mm
最高速度:−
0-100km/h加速:10.3秒
燃費:−
CO2排出量:86g/km(WLTP)
乾燥重量:−
パワートレイン:直列3気筒1490cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT