ロードテスト BMW M8 ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.02.15 19:50  更新 : 2020.02.21 21:21

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

2020年に至っても、大きく重い豪華なオープンカーにとって、このカテゴリーはかなり大きなハードルだ。

M8コンペティションは、かなり優れたツーリングマナーを備える。ルーフを開けても、ウインドウとウインドディフレクターを上げれば、ほかのいかなるソフトトップよりも乗員を外的要因から保護してくれる。

遮音性は高く、走行風の巻き込みも少ないが、乗り心地は高級GTとしてはハードだ。
遮音性は高く、走行風の巻き込みも少ないが、乗り心地は高級GTとしてはハードだ。    OLGUN KORDAL

とはいえ、その状態で、高速道路を飛ばして遠出したいかといわれたら、そうでもない。たとえ、きわめて温暖で穏やかな天候の日であってもだ。

ルーフを閉じれば、風切り音をみごとに遮断し、周囲のクルマが発するノイズがキャビンへ侵入することもあまりない。それでも、出来のいい折り畳み式ハードトップなら状況はさらに改善され、オープン時との差がより大きくなったはずだ。

ただし、折り畳み式ハードトップを採用した場合に妥協を強いられるほかの点を考えれば、欠点を差し引いてもソフトトップでよかったと思うはずだ。

ルーフを閉じた場合の快適性はなかなかのものだ。113km/h巡航時の騒音レベルは67dBで、クーペと比べても1~2dB上回る程度だ。

ボディ構造の組み付け剛性も大したもので、かなり荒れた道を走ってもAピラーが震えるようなことすらない。ただし、乗り心地の硬さゆえに、路面のきつい突起や窪みを乗り越える際には、奇妙な突き上げやかすかな振動を打ち消しきれない。

総合的に見ると、乗り心地における外的要因の遮断ぶりは、大型GTスポーツカーの基準にはわずかに及ばなかったといえる。

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