【60年ぶりに姿を現したクーペ】タルボT26グランドスポーツ チェコで復活 前編
公開 : 2020.02.22 07:20 更新 : 2020.12.08 10:55
偶然見つけた3台のグランドスポーツ
翌日、クデラはタルボ・ラーゴ・グランドスポーツに関する高価な本を偶然にも購入する。「支払いを済ませると、男性はわれわれの肩を叩きながら、本を買ったことを感謝していました。それは、著者のピーター・ラーセンだったんです」
「アドレスを交換していたので、手に入りそうなグランドスポーツが他にありそうか、後日メールしてみました。するとピーターから、少し調査すると返信をもらったんです」
しばらくしてピーターは、非常に珍しいグランドスポーツの3台が、カリフォルニアにあることを発見。それを聞いてクデラは興奮した。
1960年代に先のリンドレーが保管していたクルマだった。彼のコレクションの多くは既に売れていたが、3台のグランドスポーツは幸運にもまだ残っていた。
その1台は、ユニークなフィゴーニがボディを手掛けたクーペで、シャシー番号は110103。1960年代の初め、ロサンゼルス北東部のパサデナでテスト中、メカニックによってクラッシュしてしまったクルマだった。
特徴的なフロントは、街路灯にぶつかってひどい状態。当時のオーナーだったロン・アルクビーはタルボを見捨ててしまい、リンドレーが事故車として安価に手に入れていた。クデラがフィゴーニ・ボディを含める2台のグランドスポーツの購入を決めるまで、タルボを目撃した人は、50年間ほとんどいなかったらしい。
その後のレストア作業は後編にて。