【マツダ創立100周年】名車だけではなく「迷車」3選 それぞれの背景とは?
公開 : 2020.02.16 08:50 更新 : 2021.10.13 13:54
2020年1月30日に創立100周年を迎えたマツダ。RX-7やコスモ、多くのファンを抱えるロードスター、大ヒット作となったファミリアやデミオなど、数多くの名車のほかに、「迷車」ともいえるモデルが存在します。
マツダ 名車だけではなく「迷車」も存在
2020年1月30日に創立100周年を迎えたマツダ。
マツダといえば、イメージリーダー的なロータリーエンジンを搭載したRX-7やコスモ、多くのファンを抱えるロードスター、大ヒット作となったファミリアやデミオなど、数多くの名車を擁している。
一方である一定の影響は残しながらも、残念ながら商業的には成功と言い難い結果を残すこととなった「迷車」も存在する。
今回はそんなマツダの迷車を今一度振り返る。
フラッグシップ マツダ・ロードペーサー
当時、フルラインメーカーを目指していたマツダが、トヨタ・センチュリーや日産プレジデントのようなフラッグシップモデルとして1975年に投入したのがロードペーサーだった。
マツダのアイデンティティでもあるロータリーエンジンを搭載したが、実はボディはオーストラリアの自動車メーカー、ホールデンのHJプレミアのものをそのまま流用していた。
これはフラッグシップセダン用の新規ボディを開発する費用を抑えるための手法であった。
価格はフラッグシップに相応しく、同時期のラグジュアリークーペであったコスモのおよそ2倍となるおよそ370万円と高価だったものの、発売当初はセンチュリーを凌ぐ販売台数をマークした。
しかし、出力こそ劣らないものの高回転型のロータリーエンジンとフラッグシップモデルとの相性は決して良いとは言えず、徐々に人気は低迷。
1979年をもって販売終了となった。
コンパクトカーにも上質さを エチュード
今でこそマツダ2のようにコンパクトカーでも高級感や洗練した雰囲気をもったモデルも珍しくないが、80年代は高級=車体の大きさという図式が根強く、下の車格の最上級グレードを買うなら、1つ上のクラスの最低グレードを買うという人も多い時代だった。
そんな時代にマツダが送り込んだのが1987年に登場したエチュードだったのだ。
ベースこそ85年に登場した6代目のファミリアだったが、フロントマスクやテールのデザインはもとより全高も35mm低められたシルエットは確かに洗練された印象を受けるものだった。
特にマツダがアピールしていたのがファミリアに対してフラッシュサーフェイス化されたサイドからリアにかけての造形で、「テラスバック」という名前が付けられていた。
インテリアはファミリアと造形は共通であったものの、ルーフライニングに当時のこのクラスの車種としては珍しくファブリックを使用したり、インパネにクロス張り風の素材を用いるなど差別化を図っていた。
しかし、前述したようにまだコンパクトカーに高級感を求められていなかった時代。上級グレードではファミリアよりも約30万円高く、ルーチェのロアグレードと同等の価格というのは厳しかったのか、89年には早々に生産を終了してしまった。