【販売増 2つの理由】マクラーレン日本支社 見えた課題・次の一手

公開 : 2020.02.18 06:10  更新 : 2021.10.11 09:29

パーツ待ちを短縮化

ーーそうしたマクラーレンらしい訴求が進み、昨年は皆さんの想定以上の売り上げを記録。また、新車販売を後押しするために、リセールバリューをコントロールする上で重要な、認定中古車事業を始めるなど、事業は順調に推移しているように見えるが、課題はあるか?

「販売のスケールが一気にアップしたことで、東京と大阪ではサービス体制のキャパシティが追い付かず、お客様にご不便をおかけしてしまった。すでに改善を進めており、今後は商品クオリティとサービスクオリティをさらに充実させ、お客様の満足度を上げることに注力したい。パーツの供給についても、これまで週2回ペースだったが毎日対応できる体制に変えた」

サーキット走行をするカスタマーが多いという同社のラインナップにあって新型車「GT」は日常使いが想定される。
サーキット走行をするカスタマーが多いという同社のラインナップにあって新型車「GT」は日常使いが想定される。

「認定中古車については、確実なメインテナンスを維持するためにも必要だと考えている。マクラーレンでは実際にサーキット走行をするお客様が多く、弊社のオフィシャルメカニックによる正規の整備を推奨している」

楽しむコミュニティを

ーー今年は「GT」の本格市場導入となるが、どのような新規顧客層を想定しているか?

「GTは、サーキット走行を楽しむスーパーカーセグメントではなく、日常遣いを主体とするグランドツーリングとなる。ファッション感覚でお使い頂く方が多くなるだろう。競合としては、アストン マーティンベントレーマセラティジャガーなどが考えられる」

一般的なブランディング活動と、富裕層向けのニッチマーケティングの必要性を強調した正本氏
一般的なブランディング活動と、富裕層向けのニッチマーケティングの必要性を強調した正本氏

ーー中期経営計画トラック25が確実に実施されているマクラーレン。日本市場として今年、販売台数としての目標、または事業全体として目指す目標は何か?

「数字は結果的についてくると思う。マクラーレンのモットーである究極のドライビングエンゲージメントを、より多くの方に触れて頂きたい。エキサイティングな体験を楽しむコミュニティを作りたい。そうした中で、マクラーレンを選んで頂けるようにしていきたい」

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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