【死ぬまでに一度は運転しておくべき?】最高の50台 一挙ご紹介 1位を発表
公開 : 2020.03.01 18:50 更新 : 2021.02.17 17:44
敬意と信頼
あらゆる現代のスーパーカーと比べ、このクルマはドライバーに大きな負荷を強いるが、F40が今回トップに君臨することとなった理由はひとつしかない。
つまり、このクルマより速いモデルは数多く存在しているが、F40ほどドライバーとの繋がりを感じさせてくれるものはいないということだ。
そして、F40には敬意を払うだけでなく、このマシンを信じる必要がある。
288 GTOを含む当時の他のフェラーリ製マシンとは違い、このクルマは限界でも驚くほどドライバーの信頼に応えてくれるのだ。
コーナー出口でわずかでもブーストが掛かっていれば、ドライバーはそのパワーを感じ取ることが出来るだけでなく、シャシーはトラクションの限界を教えてくれ、そのステアリングからはリアタイヤの状況がまるで手に取るように伝わって来る。
これでF40がトップだという理由をご理解頂けただろうか? まだ? ではこれではどうだろう。
これまで何千台とそのステアリングで握ってきたなかで、もっとも印象に残っているモデルだからだ。もっとも頻繁に思い出す1台であり、もっともコクピットを離れたくなかった1台だった。
エンツォの精神
スピードとグリップ? そんなものは重要ではない。
重要なのはこのクルマの存在であり、思わず魅入られてしまうドライビング体験であり、エンジンの鼓動とギアシフトの時の擦れるような音、そして、このクルマのステアリングを握ったあと、何が起こったのかを理解することが出来ないままコクピットで聞くボディの軋み音だ。
そして、もちろんこのクルマがエンツォ最後のマシンであることも忘れるわけにいかない。
彼が難しい人間であり、ロードカーとそのドライバーのことなどほとんど気に掛けていなかったことは知っている。
だが、そんなことは関係ない。
F40とはエンツォの挑戦であり、それまでの因習を打ち破ろうとする意志だったのだ。
彼に会ったことはないが、まさにエンツォの精神を体現するモデルだと言える。
つまり、例え決して最速ではなかったとしても、わたしにとって依然として世界でもっとも刺激的なロードカーであることに変わりはないということだ。
どうやったら普通のドライバーがこのクルマのステアリングを握ることが出来るかなど正直分からない。
でも信じて欲しい。このクルマの運転は何よりも価値がある。
お気に入りの1台に投票
アンドリュー・フランケルはフェラーリF40が死ぬまでにステアリングを握っておくべき究極の1台だと言う。
みなさんの意見はどうだろう?
今回ランクインした50台のなかで、もっともみなさんからの票を集めた1台が、今年のAUTOCARアワードで「読者が選ぶチャンピオン」として発表される予定だ。
投票に関する詳細はwww. autocar.co.uk/awardsvote2020を確認して欲しい。