【電動化に浸るならPHEVの300e】メルセデス・ベンツGLC300クーペへ試乗 マイルドHV
公開 : 2020.02.22 10:20
マイナーチェンジを受けたGLC。見た目がリフレッシュしただけでなく、マイルドハイブリッドも搭載しました。アウディQ5やBMW X3などのライバルが並ぶ、人気のSUVクラスでの戦いを優位に運びそうです。英国で評価しました。
2.0Lのマイルドハイブリッドを採用
メルセデスが魅惑的と表現するクーペボディに、AMGラインのボディトリムをまとったGLCクーペ。装備の充実したラグジュアリーなインテリアも相まって、ダイナミズムより洗練性の方へ意識が向かってしまう。
それは、今回試乗する最新のGLC300クーペ 4マティックにも当てはまる。搭載するのは2.0Lの4気筒ターボガソリン・エンジンに、ベルト駆動される電圧48Vのスターター・ジェネレーターを組み合わせた、マイルド・ハイブリッドだ。
エンジンの最高出力は258psで、スターター・ジェネレーターが14psをアシスト。燃費の向上や加速時の力強さだけでなく、一定速度での走行時にはエンジン停止も可能。間もなく登場する、プラグイン・ハイブリッドとなるGLC300eを控えた、電動化への小さな一歩ともいえる。
GLCは、パワートレインの改良だけでなく、モデル中期となるフェイスリフトも受けた。見た目の変更はわずかだが、搭載する電子技術のアップデートに注力されているようだ。
マイナーチェンジを受けたGLCには、メルセデスMBUXインフォテインメント・システムの最新版を搭載。同時に数多くの運転支援システムも実装する。
以前にも増してライバル同士の競争が激しい、ファミリー層向けのプレミアムSUVというカテゴリー。アウディQ5やBMW X3などのライバルに対し、メルセデス・ベンツGLC300クーペのアピール力を高めることはできているのだろうか。
質感を増したインテリアに合う穏やかな走り
マイナーチェンジを受けたGLCクーペの、別グレードへは試乗済み。共通のアップデートによって、インテリアは快適性が向上。リラックスして長時間を過ごせる空間にまとめられている。
すべての操作系は適正な位置にレイアウトされ、周囲の視認性も良好。全方向のカメラ映像と、センサーがドライバーの目視をサポートしてくれる。車内の雰囲気は、このサイズのメルセデス・ベンツに相応しい、プレミアムさを漂わせる。
10.3インチのタッチモニターで操作するインフォテインメント・システムは、画像が鮮明で操作も直感的でわかりやすい。ステアリングホイールに配されたコントローラーや、トラックパッド、驚くほどちゃんと聞き取ってくれる音声認識機能でも操作は可能だ。
マイルド・ハイブリッド化されたパワートレインの第一印象も良い。エンジンとスターター・ジェネレーターはしっかり統合制御され、低速でのエンジンの加速を、電気モーターが滑らかにしてくれている。
高速道路に入り、一定速度でのコースティング状態になれば、エンジンは自動的にシャットダウン。再び始動する際も、とてもシームレスに行われる。インテリアにそぐわない、穏やかで快適な走行を実現させている。
反面、このマイルド・ハイブリッドは運動性能に優れていたり、一体感を楽しめるようなものではない。まれに反応が鈍い時もあるようだ。増えた車重により、トルクに物足りなさもあるように感じる。