【クルマ好きが作るEV】ポールスター2 プロトタイプに試乗 407ps 航続距離500km
公開 : 2020.02.25 10:20
運転が楽しめるポールスター2
ポールスターは、最高速度を180km/hに自主規制する意向を発表したボルボの子会社でもある。正直にいって、ボルボが世界トップクラスのドライバーズカーを生み出したことは、これまでなかった。
「2」が備える、ドライバーへの訴求力という項目は、優先順位の下の方に決めることはできたはず。だが、そうはしなかった。回りくどいい方は止めよう。ポールスター2は、運転を楽しめる。
アドレナリンが沸き立つことはないにしろ、ステアリング・レスポンスは自然。サスペンションの動きととても良く調和している。ヘラーレードの流れるようなハンドリング試験コースでは、オーリンズ製のダンパーはピタリとボディを制御下に置く。オイルの滑らかさを感じる。
パワートレインのレイアウトも考慮すれば、クルマのバランスが優れていることは当然かも知れない。サイズの近いボルボXC40と比べて、グリップ限界が極めて高いことが明確にわかる。
ブレーキを引きずりながら、クルマは綺麗に旋回していく。パワーを溢れさせるには、圧雪路か凍結路でなければ難しそうだ。
かなり荒れた路面が再現されたコースでは、硬めの乗り心地だとわかるが、柔軟性はしっかり保たれている。この舗装は、ロサンゼルスの高速道路や英国の郊外の道に見られるような状態といえる。
エンジニアは、英国の道路環境にも対応させる必要を認めている。パフォーマンス・パッケージではない、より柔らかい設定なら、さらに日常的には乗りやすいだろう。
インテリアの仕上げは既に高水準
ポールスター2は、ボルボXC40と同じCMAプラットフォームをベースとする。衝突時の衝撃を吸収するサブフレーム構造が特徴。ちなみに、エンジンの方が電気モーターより、衝撃の吸収率は高いそうだ。
シャシーの後部には専用の変更を受けバッテリーの空間を確保。リアシートの足元空間へも影響はない。EVとしては珍しい。
やや狭い荷室空間と、限定的な後方視界を除けば、ポールスター2の車内はよく考え抜かれている。テスラ・モデル3が広々としたミニマリストな表現を追い求めている一方で、ポールスター2はより従来的な雰囲気が残る。
ウェストラインは高く、グラスエリアも広いとはいえない。パノラミック・サンルーフが標準装備となるおかげで、かなり体格のいいセンターコンソール部分の圧迫感を散らしている。
ダッシュボードには11.0インチのモニターと、ブレード状にフラットなパネルが伸びるが、少し窮屈に見えてしまう。だが安全で頑丈で、魅力的な空間にまとまっている。
今回の試乗車は初期段階の検証用プロトタイプではあったが、ファブリックとウッドトリムの質感は、とても高いレベルにあった。ソフトでサポート製のいいシートは、近年のボルボの自慢。ラグジュアリーなインテリアは、すでに驚くほどの完成度にある。
パワートレインを専門とするオッレ・ファストによれば、トルク配分は前後で60:40から40:60にまで変化が可能だという。またステアリングの操舵角を感知し、トルク配分を分割し、旋回性を高めているとのこと。