【軽キャンピングカー】なぜ1車種だけが圧倒的人気なのか? スペース/スペックにライバルと差
公開 : 2020.02.24 05:50 更新 : 2021.07.27 14:44
軽キャンピングカーは、エブリイかハイゼットかの二択の状況です。なかでもスズキ・エブリイは圧倒的な人気です。ライバルのハイゼットとの差を、スペース/スペックに焦点をあて販売者に聞きました。
結局、エブリイかハイゼットかの「二択」
ふだん使いができて、価格も手ごろ、維持費も安いことなどを理由に近年、軽キャンピングカーの人気が高まっている。
ベースとなる軽1BOX車として圧倒的支持を集めているのは、スズキ・エブリイだ。
ライバルに位置付けられるのはダイハツ・ハイゼットバンや同アトレーワゴン。
軽キャンピングカーの世界でも、スズキとダイハツの戦いが繰り広げられているようだ。
しかし、ライバルと言っても現状はエブリイの「ひとり勝ち」だ。複数のショップに聞いたところ、軽キャンピングカーを選ぶ人の8~9割はエブリイがベースを選ぶとのこと。
ちなみに「ひとり勝ち」といっても、実際、エブリイには多数のOEMが存在しており、それらをまとめて「エブリイ・ベース」としている。
日産NV100クリッパーリオ/同NV100クリッパー/マツダスクラム/三菱タウンボックス/同ミニキャブバンもすべてエブリイのOEMモデルとなる。
中身はエブリイで満足している。でも、マツダの大ファンだから、スクラムをベースにした軽キャンパーが欲しい! と言えば、ほとんどのキャンピングカーショップが対応してくれるだろう。
いっぽう、ダイハツ(ハイゼット/アトレー)にもトヨタ・ピクシス、スバル・ディアスといったOEMが存在している。
軽1BOX車と言えば、ホンダのN-VANはどうなの? と思う人もいるだろう。確かにN-VANはシリーズを通して人気が高い。
いかに効率よくスペースを確保できるか
N-VANは設計も新しく、デザインも「軽バン然」としていない。衝突安全の観点から見ても優等生だ。
しかし、クルマとしてのポテンシャルは高くても、キャンピングカーのベース車両として考えると……。
やはり室内長やフロア形状などスペース的な理由でどうしても、エブリイにはかなわない部分があるとのこと。
結局、軽キャンピングカーのベースはエブリイかアトレーの2択(もしくはそれらのOEM)というのが現状のようだ。
製造や販売の現場ではこの2車をどう考えているのだろうか?
軽キャンパー「ちょいCam」を製造販売するユーズネットグループ会長井上政彦氏に現状の人気車種について話を伺った。
同社はスズキとダイハツの軽1BOX、エブリイ(バン・ワゴン)、ハイゼットバン、アトレーワゴンの4車種をベースに同じ仕様装備の軽キャンパーを製作販売している。
「当社が販売する『ちょいCam』シリーズでは、エブリイ:ハイゼット(+アトレー 以下同)=8:2という印象で、圧倒的にエブリイが多いですね」
「理由はたくさんあるのですが、まず後ろの開口部がハイゼットはルーフ周りを絞ったような台形になっています」
「エブリイは開口部がほぼ長方形なので、頭や肩回りの空間に余裕があり中に乗った時の圧迫感がかなり違ってきますね」
「必要な装備を付けているとどうしても狭さを感じてしまうので、天井周りの空間は重要です」