【どんなクルマが、どこで売れている?】世界の市場 カテゴリー別新車販売実績 2020年はどんな年に?
公開 : 2020.05.30 08:50
フランス vs 英国
Jatoが示した世界販売台数統計によれば、乗用車と小型商用車の合計でフランスが英国をわずかに上回り、世界第6位の新車市場となったようだ。
これにはふたつの理由がある。
英国の新車販売が5万6000台減少(EU離脱に伴う混乱とディーゼル人気の落ち込みによるものだ)した一方、フランスでは3万8000台の伸びを記録しており、商用車も英国に比べ大幅な販売増を達成している。
その結果、乗用車単体では英国が依然として世界第6位の新車市場の地位を確保しているものの、商用車を含めるとフランスが英国を上回ることとなった。
EV市場:テスラ・モデル3 vs 中国製低価格EV
テスラ・モデル3が圧倒的な販売台数により世界でもっとも売れたEVの地位を獲得しており、2位に約3倍もの大差を付けている。
2019年は米国と欧州でEVのベストセラーとなっており、上海工場の稼働開始に伴い、2020年には中国市場での躍進も期待されている。
販売台数第2位となったのが、フォルクスワーゲン・ゴルフ並みのボディに41kWhのバッテリーを積み、補助金無しでも1万5000ポンド(215万円)という価格を実現しているサルーンモデルのBAIC(北京汽車)のBJEV EUだった。
日産のリーフも依然として世界第3位のポジションを確保しているが、新型にモデルチェンジしたことを考えれば、この結果は満足できるものではないだろう。
ボディスタイル別:欧州での人気モデルは?
昨年には史上初めて日産キャシュカイやフォルクスワーゲン・ティグアン、フォード・クーガといったミッドサイズSUVが、Cセグメントに属するハッチバックやワゴンモデルを販売台数で上回るのではないかと言われていたが、わずかに届かなかったようだ。
「それでもこのまま堅調に販売数を伸ばせば、来年には逆転するかも知れません」と、ムニョスは言う。
「それでも、ミッドサイズSUVが市場もっとも売れているカテゴリーというわけではありません」
スーパーミニが欧州では依然として人気のモデルであり、平均CO2排出量95g/kmという新規制のもと、シティカーと呼ばれるAセグメントの必要性が高まることで、今後数年間は販売数の増加が見込まれている。
高級車市場:メルセデスが好調
2019年の高級車市場は、世界販売232万台を達成したメルセデスがBMWの追撃を振り切ってトップの座を維持することに成功している。
トップ5社がすべて前年越えか前年同等の販売台数を達成しており、レクサスとボルボが最大の伸びを記録する一方、リンカーンも好調だった。
BMWはSUVのモデルチェンジと新型3シリーズの導入、さらにはメルセデスが販売数を減らした中国市場での販売増が強みとなった。
「ですが下位ブランドは苦戦を強いられており、インフィニティとジャガーが大きく販売台数を落としています」と、ムニョスは話す。
インフィニティが欧州市場から撤退する一方、ジャガーは主力のサルーンモデルが不調だった。
2020年にはテスラがランドローバーを上回って世界第7位の高級車ブランドになる可能性があり、これが実現すればテスラにとっては大きな成果となるだろう。