【どんなクルマが、どこで売れている?】世界の市場 カテゴリー別新車販売実績 2020年はどんな年に?
公開 : 2020.05.30 08:50
超高級車市場:ロールスが好調
超高級車ブランド7社は合計で3万5454台の新車販売を記録しており、平均的な新車価格を25万ポンド(3589万円)と控え目に見積もっても、その合計金額は約88億ポンド(1263億円)に達している。
ランボルギーニとロールス・ロイスはそれぞれ新型SUVモデルが好調な一方、ヴァンテージとDBSスーパーレッジェーラの2台の新型モデルと投入したアストン マーティンでは年間販売台数5000台越えを達成している。
一方、サルーンモデルの不調が響いたベントレーは販売台数を落としているが、今年は新型フライング・スパーがこの傾向に歯止めをかけることになるかも知れない。
SUVの台頭は続く
昨年1年間でなんと2800万台ものSUVが販売されているが、2018年の6%という伸びに比べ、2019年の成長率はわずか1%に留まっている。
「SUVとは自動車メーカーにとって麻薬のようなものです。販売台数と利益には貢献しますが、同時に平均CO2排出量の面では負の影響を及ぼすことになります」と、ムニョスは話す。
高級電動SUV市場:Iペイス vs eトロン vs EQC vs モデルX
テスラ・モデルXがわずかに新型アウディeトロンを販売台数で上回ったが、eトロンが勢いを増す一方でモデルXが新鮮味を失っていくことを考えれば、2020年、eトロンがトップの座を奪う可能性が高いだろう。
パフォーマンスモデル市場:マスタングの圧勝 ボクスター失速
フォードのマスタングが引き続きこの市場を支配する1年となった。
だが、このセグメントで注目すべきはポルシェ718ボクスターとケイマンの失速であり、昨年1年間で20%も販売台数を減少させている。
3年前に718が積むエンジンが4気筒ターボのみへと変更されたことで、ポルシェ愛好家の不興を買ったことを思えば、フラットシックス搭載モデルの復活をポルシェが決断したのも当然だろう。
マツダの愛すべきMX-5(日本名:ロードスター)もわずかに販売台数を落としているが、スタイリングが重要となるこのカテゴリーで4年前に登場したモデルであることを考えれば、十分検討していると言えるだろう。
BMWの新型Z4は素晴らしいスタートを切るとともに、ポルシェ718との差を詰めることに成功したことは、ミュンヘンを喜ばせることになるだろう。
アルピーヌが誇るA110はわずかに5000台には届かなかったものの、このクルマの素晴らしさとロードテストにおける高い評価を考えると、いくつかの地域では懸念が残る結果となった。
ムニョスによれば、A110の2/3がフランス国内での販売実績とのことだ。