【124ps版でも不満はなし】フォード・プーマ STラインXへ試乗 マイルドHV
公開 : 2020.02.27 10:20
英国の道なら17インチと標準サス
3気筒ターボは、高負荷時にはそれなりのサウンドを響かせるが、基本的には常時静かに回る。二酸化炭素の排出量を削減できるアイドリングストップ機能も付くが、交差点ではエンジンの始動停止にもほとんど気づかないレベル。
STラインのスポーツサスペンションと、18インチのホイールとの組み合わせは、すべての人へオススメできるとはいえない。コンパクトなフォード車らしい、引き締まった楽しい走りを味わえるものの、轍や凹凸を越えたことは明確に車内に伝わるし、時折ロードノイズも大きくなってしまう。
特にツギハギの多いロンドン周辺の道では、50km/h以上の速度域にならないと、乗り心地に落ち着きは感じられないだろう。17インチホイールを履くSTラインの方が、低速域での快適性はわずかに向上する。
柔らかい標準サスペンションのチタニウムの方が、多くの人にとって受け入れやすいのではないだろうか。上質さも引き立つ。
プーマはコンパクトSUVでは有力選手だ。コンパクト・ハッチバックに並ぶドライバーへの訴求力と性能を獲得するのに、フォードは思いのほか長い時間を必要としたけれど。同時に、ライバルの体制も変化した。
以前のルノー・キャプチャーはフランス車らしいオシャレなスタイリングを得ているが、走りは普通だった。初代の日産ジュークは斬新なデザインでファンを獲得したものの、運動性能では特に話題に登ることはなかった。
将来も有望なニューカマー
ところが、最新のルノー・キャプチャーも日産ジュークも、ずっと良好なドライビングを楽しめるように生まれ変わっている。まるでフォード・プーマの登場を待ち構えていたかのように。だが、プーマはコンパクトなフォード製モデルに期待する通りの、オンロード性能を準備してきた。
フォード・プーマのスキのないパッケージングは、既に高い評価を集めている。今回は124psのSTラインXに試乗したが、エンジンやグレードに関わらずどのプーマを選んでも、クラス最上位に相当する内容は得られると思う。
コンパクトSUVのベストを決めるためにも、AUTOCARでは比較試乗を考えている。しかし、プーマの優位性は今の段階でも充分も高い。
秀でた走行性能と、キャッチーなスタイリングを獲得しているフォード・プーマ。人気カテゴリーなだけに、スター級のニューカマーは、今後の戦いも有利に進めるように思えてならない。
フォード・プーマ STラインXのスペック
価格:2万5195ポンド(360万円)
全長:4207mm
全幅:1805mm
全高:1537mm
最高速度:191km/h
0-100km/h加速:9.8秒
燃費:17.2-18.2km/L
CO2排出量:99g/km
乾燥重量:1280kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:124ps/6000rpm
最大トルク:21.3kg-m/1400-4500rpm
ギアボックス:6速マニュアル