【2.0Lターボ級では最速】ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR、筑波アタック 現地レポート

公開 : 2020.02.26 10:50  更新 : 2021.10.11 09:16

ニュルブルクリンク北コースで2019年4月に「市販FF最速」となったルノー・メガーヌR.S.トロフィーRが、筑波サーキット2000でタイムアタック。谷口信輝選手のコメントとともに、現地からレポートします。

筑波サーキット2000 アタックまでの経緯

text:Hiromune Sano(佐野弘宗)
photo:Satoshi Kamimura(神村 聖)

ルノーメガーヌR.S.トロフィーRといえば、昨2019年4月に、独ニュルブルクリンク北コースでレコードタイムを塗り替えた「市販FF最速」のクルマである。

同車はその後も、同社テストドライバーのロラン・ウルゴンの手で名だたるサーキット(日本の鈴鹿サーキットを含む)でタイムアタック行脚を展開してきた。

ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR
ルノー・メガーヌR.S.トロフィーR

そんなトロフィーRが去る2月18日、筑波サーキット2000でタイムアタックをおこなった。

ただし、今回のアタックはあくまで日本法人であるルノー・ジャポン独自のもので、乗り手も日本人レーシングドライバーの谷口信輝選手である。

その目標タイムは1分2秒台。

昨年末、今回と同じ筑波サーキット2000で、ルノー・ジャポンと自動車誌とのタイアップ企画で1分3秒591を記録した谷口選手は、その手応えから「もう少しタイヤセットを増やして、タイヤウォーマーを使うなどすれば、2秒台もいけるかも!?」と発言。

それに気をよくした(?)ルノー・ジャポンが「だったら、やりましょう!」と実現してしまったのが、今回のアタック企画だという。

ちなみに、この筑波サーキット2000で1分2~3秒台というタイムは、駆動方式を問わず、2.0Lターボ級の市販車としては掛け値なしの最速タイムである。

当日、記録更新はならなかったものの……

……というわけで、その注目のタイムアタック結果だが、当日のベストタイムはずばり1分3秒984で、目標達成とはならなかった。

アタックした谷口選手によると、暖冬の影響か当日は2月としては気温が異例に高かったこと、しかも、前日夜に雨が降ったうえに当日も風が強かった……などの悪条件が重なってしまったのが原因という。

目標タイムには届かなかったものの、当日のベストラップ付近の1分4秒台前半をピタリと連発し続けた。
目標タイムには届かなかったものの、当日のベストラップ付近の1分4秒台前半をピタリと連発し続けた。

ただ、目標タイムには届かなかったものの、当日のベストラップ付近の1分4秒台前半をピタリと連発し続けるところに、トップドライバーの凄味とメガーヌR.S.トロフィーRというクルマの価値があらわれていたように思う。

実際、谷口選手も「普通はタイムを一発出したらタイヤがタレて、タイムがガタ落ちになるものですが、限界付近のタイムでずっと走れるのはスゴイ」と語る。

しつこいようだが、ツルシの2.0Lターボ級(メガーヌR.S.は1.8Lターボ)の市販車で、筑波を1分3~4秒台というのは間違いなく歴代最速といっていい。

これより速いタイムを記録している市販車は、それこそ日産GT-R級のスーパーカーしか存在しない。

記事に関わった人々

  • 佐野弘宗

    Hiromune Sano

    1968年生まれ。大学卒業後、ネコ・パブリッシング入社。カー・マガジン等で編集作業に携わるうちに3年遅れで入社してきた後藤比東至と運命的な出逢いを果たす。97年、2人でモンキープロダクションを設立するべく独立。現在はモータージャーナリストとして「週刊プレイボーイ」「AUTOCAR JAPAN」「○○のすべてシリーズ」他、多数の雑誌、ウェブ等で活躍中。

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