【グッドウッド雪上版?】GPアイスレース あまりにも見事な非現実世界
公開 : 2020.03.22 18:50 更新 : 2020.03.22 20:25
番外編1:氷の上の変わり種
マーチ・コスワース761/5
1974年、ハンス=ヨアヒム・スタックはこのマーチ製シャシーでF1デビューを果たしている。
6輪の2-4-0コンセプトなど、さまざまなスペックで何度か復活したものの、今回は1976年の761/5仕様でレストアされることとなった。
さらなるグリップを確保するため、リアアクスルには4本のスタッド付きタイヤが装着されている。
オクラサ・スペシャル
英国でポルシェとフォルクスワーゲンのディーラーを営んでいたデビッド・スモールが、スペアパーツとアルミニウム製の飛行機用ボディパネルを使ってこのクルマの制作に着手したのは1958年のことだった。
半世紀もの間ガレージでの眠りについた後、現オーナーのスティーブ・ライトが10年以上を掛けて仕上げている。
走行距離はまだ800kmにも満たない。
ポルシェ・タイプ64
フォルクスワーゲンのタイプ60ビートルをベースに開発されたこのタイプ64は、1939年に開催されたベルリン=ローマ・レース用にフェルディナント・ポルシェが初めて設計したクルマだった。
10年前にオリジナルモデルが復活した時、同時にレストアを担当したマイケル・バーバックはこのレプリカを製作している。
番外編2:ラリーとスキーの出会い
驚愕と非現実性の双方において、スキージョリングとはこれまで見たなかで最高のモータースポーツかも知れない。
スキーヤーがコース中をクルマで牽引され(時には馬や犬、スノーモービルのこともある)、もっとも速く周回したものが勝者となるが、そのためにはさまざまな技術が求められる。
プロスキーヤーのドミニク・ハートマンを牽引するのは、友人のドミニク・リッカーが運転するイエーガーマイスターカラーに塗られた911だ。
「体力的にも大きな負荷が掛かります」と、ハートマンは言う。
「牽引ロープに掴まっているだけでも大変な腕の筋力が必要とされるのです」
彼によれば、コツはそれぞれのコーナーでスキーヤーとドライバーの双方が意思疎通を図ることだと言う。
ドライバーがペースを設定し、スキーヤーが牽引ロープの長さを調節することでクルマとの距離をコントロールするのだ。
「お互いが何をしようとしているのかを理解する必要があります」と、ハートマンは話している。
「コーナーでスピードを維持するにはラリーカーにはドリフト走行が求められます。そして、スキーヤーは滑らかなライン取りを行うため、コーナーのイン側を滑る必要があるのです」