【好感度はクラス・ナンバー1】新型 プジョー2008 1.2ピュアテック 130に試乗
公開 : 2020.02.29 10:20
内外装のデザインはクラスで1番
試乗車は英国版らしくマニュアル車だったが、クラッチの重みもちょうどよく、トランスミッションの操作もシッカリ感がある。ストロークはやや長め。ブレーキペダルは、踏み始めがやや重く感じられた。
2008の見た目は素晴らしいと思う。似たりよったりに見えてしまうコンパクト・クロスオーバーの中で、プジョーは2008に際立った個性を与えることに成功している。
笑顔の口元のように見えるフロントグリルや、牙のようなデイライトは好みが分かれるだろう。だが、ずんぐりと少々まとまりに欠けていた初代より、間違いなく格好いい。
車内も同様。視覚的なデザイン面でいえば、筆者はこのクラスでベストだと思う。
光沢の強い黒のプラスティック部分は指の跡が残りそうだが、黄緑色のステッチや上品な間接照明、深く彫刻的なダッシュボードの造形など、全体が車内を引き立てている。適度にモダンで、魅力的だと思う。
進化しているとはいっても、プジョーのiコクピット流のドライビングポジションは、筆者の好みではない。ステアリングホイールはとても小さく、立体的に見えるデジタルメーターを隠さないようにするには、膝の上に乗せるように角度を下げる必要がある。
それ以外の操作性は良く考えられており、乗員空間も充分に広い。無理せず大人4名が乗ることができるだろう。東京から青森まで向かう場合でもない限り、リアシートの友人がハズレを引いたとは思わないはず。
ライバルモデルより高い好感度
荷室空間の容量は、リアシートを起こした状態で360L。同等のコンパクトカー並みの大きさではあるが、フォルクスワーゲンTロックの場合、445Lも確保できている。
コンパクトSUVというカテゴリーで見渡せば、プジョー2008は購入候補の上位に入れたいモデルだといえる。エンジンは上質で、ドライビングも良い。操作系の重み付けも丁度よく、運転姿勢も快適で心地よく過ごせる。
奥行き感のある3Dメーターも未来感があり、悪くないセリングポイントの1つ。インフォテイメント・システムの操作性は、ドイツ製ライバルの方が優れているのだが。
このカテゴリーの他のモデルと同じように、ドライバーが純粋に運転を楽しめるクルマではない。それでも見た目の良さや扱いやすさなど、一般ユーザーが感じる好感度でいえば、新しいプジョー2008は間違いなく秀でていると思う。
プジョー2008 1.2ピュアテック 130 GTラインのスペック
価格:2万6100ポンド(373万円)
全長:4300mm
全幅:1770mm
全高:1550mm
最高速度:196km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:15.4-17.9km/L(WLTP複合)
CO2排出量:−
乾燥重量:1192kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル